第141話 戦女神の雑談
□水崎詩織
さすがに疲れもあって、翌日はのんびりしていたら姫乃と夢乃から連絡があった。
みんなに招集をかける彼女たちのメッセージには焦りと呆れが感じられた……。
なんて思いつつグループチャットで話を聞いたが……もう、
それは呆れて当然な内容だった。
……いきなり迷宮神に単独で挑みに行くとか、どういう思考回路なんですか?
おじいさんが仕組んだ異世界転生から姫乃たちを守ったお守りがもしかしたら
それを確認したいから一回死んでくるというのは理解できるわ。
でも、一回死ねるなら挑んで来ようと、気軽にラスボスに突撃するのはおかしくない?
相手は神様なのよね?
魂は消されないっていうのもわかるけど……。
そんなダメ元の突撃に私たちを連れて行くわけにはいかないのはわかってるけど……。
と思ったけど、ロゼリアさんも怒っていた。
たしかに彼女はモンスターだから死んでリポップしてもいいのなら連れて行ってもいいし、せめて事前に連絡が欲しいという気持ちはわかる。
ちなみにロゼリアさんはスマホをゲットしたの。
湊会長がスマホを買って渡したところ、装備品になったらしい。
それも死に戻りして装備品になったか試したんだって。
だから余計に、一緒に連れて行って!って怒っていた。
レファ:なんにせよ、くそリッチが帰ってきたらぶん殴りましょう!
詩織 :過激ね
姫乃 :むぅ……
レファ:じょっ、冗談よ。冗談。っていうか、愛人と娘ばっかりで、アンチなの私ひとりになってない? くっ、勢力図が……。
詩織 :もともとアンチなんてレファ一人だし、そもそも異世界で……ねぇ……。
レファ:きゃーーー!!!!
レファ:きゃーーー!!!!
レファ:きゃーーー!!!!
レファ:きゃーーー!!!!
レファ:きゃーーー!!!!
レファ:きゃーーー!!!!
レファ:きゃーーー!!!!
フラン:なにやってるんだよレファ……。
詩織 :恥ずかしいから流したいんだと思うけども……。
夢乃 :う~ん。いまだにメッセージが既読にならないのよ、お父さん。リポップしてないのか、それともまだ戦ってるとか?
姫乃 :結構時間経ってると思うけど、どうなんだろう。
レファ:案外、倒しちゃってくそリッチが迷宮神になってたとか……
フラン:それならそれでもいいけど、世界中で空が止まったのはなんでなんだろうな。
姫乃 :不思議ね。不思議だけど、特におかしなことにはなっていないというのも不思議だけど。
夢乃 :スタンピードでモンスターが外に出てくるのはたまに起こってるみたいだし、太平洋の島のダンジョンから出たモンスターが飛来したって言うニュースには驚いたけどね。
ロゼ :感知して速攻倒しといたわよ?
レファ:ロゼリアさん、スマホ使えるようになったのね
ロゼ :たぶん?
夢乃 :なぜ疑問形www
ロゼ :お兄ちゃんにメッセージ打ってみたんだけど、帰ってこないの。送れてないのかな?
詩織 :夢乃のも私のも未読のままだから、たぶん見れてないんじゃないかと思うわ。
レファ:詩織はいつも送りすぎなのよ!
詩織 :?
夢乃 :ちなみに何件くらい?
詩織 :自分では数えられないけど、200件くらい?
姫乃 :しっ……しおりん?
レファ:絶対嘘ね。その10倍は送ってるはずよ?
夢乃 :ひぇっ……
詩織 :だって……
ロゼ :そんなに送るものなのか?
詩織 :想いは届けないと伝わらないから。
ロゼ :なるほど……。
レファ:違うから。絶対信じちゃダメよ!
詩織 :むぅ……。
むぅ……。
どうして?
思ったことや感じたことや考えたことは形にしないと伝わらないでしょ?
それにしても
まだ数日だから別におかしくはないんだろうけど、あのお爺さんや元王女さんたちは出現しなくなったのよね。
もしかして
そんなことになったら……
ううん。ダメよね。
こんなに弱い心じゃ。
もしかしたら私たちの知らないところで戦ってるのかもしれないし、
詩織 :やれることをやるしかないわよね
ロゼ :そうね。
夢乃 :うん。
レファ:まぁ、結局そこなのよね
姫乃 :お父さんからの伝言だけだしねw
詩織 :じゃあ、次は明日の攻略の打ち合わせをしましょう
フラン:了解!
私たちが目指すのは強くなることだけ。
それがきっと未来につながっているから。
今は全然弱くっても、諦める気はない。
聖具の使い方に慣れ、さらに強くなる。
もう意思のあるモンスターは出てこないけど、敵のモンスターの強さだけはひたすら上がって行く。
でも、
私たちもそこは余裕で超えないといけない。
ロゼリアさんに聞いたら、ロゼリアさんはジュラーディスが設置した通路を通っていただけだから単独では行けないらしい。
だから私たち
ここ30年温和だったダンジョンが最近になって不穏な空気を漂わせている。
モンスターが外に出て、外の世界もダンジョンのようになりつつある。
それが何を意味するのかはわからないけど、私たちは
ただただ流れに身を任せるなんて、悔しいから。
皇一 :マズイぞ……ついに地上でモンスターがポップし始めた……。
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