【第26話】

時は、10月2日頃であった。


直家一家は、喬木村たかぎそんの家を売却したあと叔父おじが一人暮らしをしていた家がある枇杷島びわじまへ引っ越した。


なおみは、叔父おじが残した借金の後始末をするためにお見合いをした。


相手は、大須で酒問屋を経営している知人夫婦の家の近所で暮らしているご夫婦の息子さんであった。


直家は、なおみの気持ちが落ち着いたら先方さんの家に入籍することを先方さんの家に伝えた。


先方さんは、こころよく了承した。


なおみは、6ヶ月の契約で西枇杷島町大野にしびわじまちょうおおのにある郵便局の契約社員で再就職した。


さおりは、名古屋近郊にあるこども病院に入院と同時に院内学級へ転校する予定だったが、親族たちがナンショク示したので入ることができなかった。


身体からだがじょうぶなのに、なんで入院をさせるのか?』

『どうして、フツーのクラスに入れないのか?』

『親元からガッコーに通えない子どもはかわいそうだと思わないのか?』


親族たちからブーブーと言われた直家は、さおりの転校生を清須市内の公立中学校に変更した。


クラスは、普通学級フツーのクラスに入ることになった。


りつよは、稲沢市陸田宮前いなざわしくがたみやまえにあるDCM(ホームセンター)に再就職した。


その一方で、忠家ただいえは、りつよとリコンすることを決意した。


直家一家が枇杷島びわじまへ移り住んだと同時に、忠家ただいえは有松(名古屋市緑区)の実家に帰った。


前の職場をやめた忠家は、大垣に本店があるK銀行の支店に(契約社員として)再就職した。


そのまた一方で、なおみのお見合いの日取りが決まらない問題が発生した。


なおみのお見合いは、大須の酒問屋の夫婦の仲人で進める予定であった。


当初は、9月の第一日曜日にお見合いの予定だったがなおみがわがままをこねたことが原因でキャンセルされた。


あれもイヤこれもイヤといい続けた末に、お見合いの日取りは10月7日に決まった。


一家が枇杷島シンテンチでの暮らしがキドウにのって気持ちのゆとりができた…


生活のリズムを保つことができた…


…と言う時に、一家は新たな悲劇に巻き込まれた。


『好事魔が多し』と言うことわざは、このことを言うのか…

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