豚小屋・2

【第9話】

「お待たせ…それじゃあ晩ごはんを食べましょうか。」


話は、家の食卓から始まる。


家の食卓には、あやみ(36歳・専業主婦)とあやみの姉・よしえ(40歳・パート主婦)のひとり息子・しゅうさく(3歳)とあやみの夫・重朝しげとも(39歳・会社員)と義弟の重秀しげひで(31歳・工場勤務)とふたりのきょうだいの母親(68歳)の5人がいた。


テーブルの上には、あやみが作ったお手製のクリームグラタンとグリーンサラダが並んでいた。


家族みんなが晩ごはんを食べようとした時にあやみが待ったをかけた。


あやみは、毒味役のしゅうさくにおいしくできているかどうかを確かめるために待ったをかけた。


しゅうさくが一口食べて『おいしい』と言うまでごはんを食べることができない…


この時、重秀しげひでがよりしれつな怒りに震えながらつぶやいた。


ふざけるなよ…


しゅうさくが『おいしい』と言わないと食べれないのか…


思い切りブチ切れた重秀しげひでは、しゅうさくに小皿を投げつけた。


(ガーン!!)


重秀しげひでが投げた小皿がしゅうさくの頭を直撃した。


「ギャァァァァァァァァァァァァ!!」


しゅうさくの強烈な叫び声をあげて泣いた。


あやみは、重秀しげひでに対してどうしてしゅうさくに暴力をふるうのかと問い詰めた。


それが原因で、大ゲンカになった。


重秀しげひでさん!!どうしてしゅうさくに暴力をふるうのよ!!」

「やかましいだまれ!!オレはクソガキがいらつくから殴った!!」

「アタシは、しゅうさくが一口食べて、おいしくできているかどうかを確かめたいから止めただけよ!!」

「だまれ!!」


(パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!)


思い切りブチ切れた重秀しげひでは、よりしれつな平手打ちであやみの顔を5回以上たたいた。


「オドレぶっ殺してやる!!」

「やめて!!いたいいたいいたいいたい!!」


(ブチッ!!)


重秀しげひでは、あやみの髪の毛を思い切りちぎった。


その後、重秀しげひでは家から出ていった。


つづいて、重朝しげともがあやみに対して怒った声で言うた。


「オイ!!このクソガキを始末しとけ!!」


母親は、怒った声で重朝しげともに言うた。


「なんでしゅうさくを始末するのよ!?」

「かあさんもお人好しなんだよ!!あやみのクソねえのガキを受け入れた!?」

「よしみさんがお仕事でいそがしいからめんどうを見ることができないのよ…保育園の空きがないから…」

「ふざけるな!!」

「やめて!!」


(ガツーン!!)


思い切りブチ切れた重朝しげともは、グーであやみのこめかみを殴りつけた。


母親は、怒った声で重朝しげともに言うた。


「なんであやみさんに暴力をふるうのよ!?」

「だまれ!!」


(ガツーン!!)


思い切りブチ切れた重朝しげともは、母親のこめかみをグーで殴りつけた。


「オドレぶっ殺してやる!!ワーワーワーワーワーワーワーワーワーワー!!」


(ガチャーン!!ガチャーン!!ガチャーン!!)


思い切りブチ切れた重朝しげともは、叫び声をあげながら家じゅうを暴れまわった。


母親とあやみは、ボロボロに傷つくまで重朝しげともに殴られた。


しゅうさくも、重朝しげともから心理的な暴力を受けた。


アタシは…


しゅうさくが一口食べてみておいしくできているかどうかを確かめたいから待ったをかけたのよ…


アタシは、なんの落ち度もないのに…


もうイヤ…


事件が発生したのは、2017年7月14日の夜7時頃だった。


この日を境に、家庭は崩壊の危機に直面した。


これより、恐ろしい悲劇の第二幕があがった。

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