【第8話】
時は、7月20日の夕方4時前であった。
ところ変わって、小牧市にある警察署の前にて…
ふさえとふさこが連れ去られた事件の捜査が行き詰まったようだ。
このため、重要参考人の男を一旦帰宅させる措置を取った。
その直後に恐ろしい悲劇が発生した。
シャクホウされた男は、口笛をふきながら警察署から出てきた。
この時、男の前に黒のニッサンプレジデントが停車した。
車の中から、派手なシャツを着たヤクザの男たち5~6人が飛び出た。
重要参考人の男は、ヤクザの男たち5〜6人に無理やり車に乗せられた。
「離せ!!離せ!!」
「ふざけるなクソガキ!!」
「よくもおれたちを裏切ったな!!」
「オドレはコンクリ詰めじゃ!!」
(バタン!!キキキキキキキキキキ!!グォーン!!グォーン!!)
黒のニッサンプレジデントが急発進をしたあと警察署から逃走した。
それから2時間後であった。
(ピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロ…)
警察署の捜査課のデスクに置かれている電話機の着信音が鳴った。
デスクに座っていた婦警さんが電話に出た。
「はい捜査課…わかりました…課長!!」
「どうした!?」
「多川ひろつぐの保護士の男性の方はいらっしゃいますか?」
「ああ、すぐに呼ぶ。」
この時、ひろつぐの保護士を務めていた男性が来署していた。
オフィスにいた別の刑事が会議室にいる保護士の男性を呼びに行った。
それから2分後に、保護士の男性がやって来た。
保護士の男性は、受話器を手にしたあと話をした。
「もしもし、もしもし…」
この時、弱々しい男の声が受話器のスピーカーから聞こえた。
「すみません…すみません…すみません…」
「もしもし!!」
「あんたは、多川ひろつぐの保護士を務めていた男性さまですね。」
「そうだよ!!」
「多川ひでのりの娘ふたりが監禁された場所は…あすけ…あすけ…あす…」
「あすけ…」
この時であった。
(ウィィィィィン!!)
受話器の向こう側から
同時に、ヤクザの男たちの声と重要参考人だった男の叫び声が聞こえた。
「オドレ!!コンクリ詰めじゃあ!!」
「命でつぐなえ!!」
「イヤダァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!生きてつぐないたいよ!!」
「死ねやクソガキ!!」
電話は、そこで切れた。
あすけ…
重要参考人の男は『あすけ』と言うた。
それはどこにあるのだ?
この時であった。
(ピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロ…)
また電話の着信音が鳴った。
婦警さんが電話に出た。
「はい捜査課…わかりました…」
婦警さんは、保護士の男性に受話器を渡したあと周囲にいる刑事たちに『逆探知をお願いします…』と言うた。
数人の刑事たちが逆探知に回った。
保護士の男性が電話に出た時に、受話器から竹宮の声が聞こえた。
同時に、豚たちがより強烈な鳴き声が聞こえた。
竹宮は、怒った声で言うた。
「おい
「ハイセキ…やめろ!!やめるのだ!!」
「ふざけるな
「あやまちをつぐなえだと…」
「そうだよ…それもてめえの命でつぐなうのだよ!!」
「私は、ひろつぐくんが立ち直ることができるようにと思って…」
「きれいごとをぬかすな
「私はそんな悪いことはしていない!!」
「きれいごとを言うんじゃねえよ
その直後であった。
受話器の向こう側からひであきとほのかの叫び声が聞こえた。
「ギャァァァァァァァァァァァァ!!ギャァァァァァァァァァァァァ!!」
「おとーさーん!!おねーちゃーん!!」
「ひろつぐさんごめんなさい!!ひろつぐさんごめんなさい!!」
電話は、そこで切れた。
ひろつぐ父子5人が監禁されていた場所が豊田市郊外の
事件現場の豚小屋は、
事件現場の豚小屋に、愛知県警のSAT隊員2000人が到着した。
夜8時半頃であった。
SAT隊員たちが豚小屋になだれ込んだあと
(ズダダダダダダダダダダダダダダ!!)
豚小屋の中にいた犯人グループの男たち全員が
ひろつぐは、SAT隊員たちに取り押さえられたあとナイフでズタズタに
竹宮も銃撃戦に巻き込まれて亡くなった。
銃撃戦がおさまった後、
ひでのり父子5人が無事に発見されることをいのりながら、敷地内の捜索を開始した。
それから8時間後であった。
ひろつぐの父親が経営していた縫製工場の敷地内で暴動が発生した。
(ガシャーン!!ガシャーン!!ガシャーン!!ワーッ!!ワーッ!!)
暴徒化した従業員さんたちが一斉に投石を開始した。
その後、暴徒化した従業員さんたちが一斉に工場内に突入した。
工場内では、設備の破壊と略奪が発生した。
暴動は、ひろつぐの家での前でも発生した。
暴徒化した従業員さんたちは、家の中に突入したあとめちゃくちゃに荒らした。
そんな中であった。
捜索にあたっていた捜査員のひとりが『汚水曹に父子5人が浮かんでいたぞ!!』と怒号をあげた。
それから60分後に、汚水曹からひでのり父子5人が無残な姿で引き上げられた。
捜査員たち全員は、沈痛な表情を浮かべた。
その頃であった。
あずさは、
あずさは、家族を
ひでのり父子5人が汚水曹で亡くなったという知らせは、カノジョの耳には届いていなかった。
あずさは、フラフラとした足取りで海の中へと入っていった後、そのまま沈んだ。
恐ろしい悲劇は、より大きな禍根をのこして終わった。
【おわり】
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