うちのヤングマン知りませんか

海野ぴゅう

ヤングマンの生態

 ムスコとは魔訶不思議生物だ。

 16年前は小さくて可愛い宝物だったのに、今は半分大人おっさんである。


 最近物忘れが激しくなってきたので、リハビリを兼ねて今までの彼の生態を記録しようと思う。

 楽しんで頂けると幸いだ。



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 彼の朝は遅い。

 高校には自転車通学だが、出発の30分前の7時半過ぎに起床する。


 4月に2年生になってからは毎朝1時間前に起きてシャワーを浴びて髪を洗っていたが、ここ1週間は7時半まで寝ているようになった。

 

(気になっている女子に冷たくあしらわれて諦めたのか?それとも嫌いになっちゃった?)


 そんなことを考えながら私は送り出す。最近ムスコは好きな子の話をしないのだ。明らかにおかしい。

 しかしこちらから聞くとキレられるので、ムスコが話してくるまで待つようにしている。

 話したいくせに聞かれたら嫌だなんて、とは思うがぐっと我慢だ。

 親は我慢の生き物。

 それが快感でもあるし、やっと話してくれた時の喜びといったらない。気分は野生動物を餌付けするおばさんだ。


 2日に1回は忘れ物をし、黙って靴のままで家に上がって教科書や体操服などを泥棒のように強奪していく。

 

 ちなみにうちは畳だったりする。まあいいけど。

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