第二章 願い石
第14話 いてこましたる(1)
季節は変わり、
(と言いたい所だが……)
梅雨などあっただろうか? 4月や5月にも、夏日(25度以上)や真夏日(30度以上)の日が
寒暖の差が激しかった影響か、どうにも体調が
7月に入ったら入ったで、湿度が高いためか
比較的、暑さに強いとされる猫たちも、30度を超えた日や湿度の高い日は苦手なようだ。今日のように晴れていて、気温の高い日は声を掛けられることもない。
そのため、いつもより街が静かに感じる。
「ミャミャーッ!」(さあ、
いや、ここに一匹、
猫の体温は高いので、はっきり言って暑い。
(確か、平均は38度だったか?)
当然、メスである。
魅力的な
一方でオスとして生まれた場合、生まれつき
また、生殖機能が無いなどの症状が見られるそうだ。
3万分の1の確率という突然変異のためか、短命である。
そんな三毛猫の中でも、
人語が話せたのなら「いてこましたる!」とでも言い出しそうな雰囲気だ。
先程から俺の頭部へポカポカと猫パンチを
痛くはないが――
(正直なところ、いい気はしないので
そんな俺たちの様子を見て、隣を歩いていた『呪い屋』こと『
「
と言って
俺としては
一方で下の方から、
「お兄ちゃん、ごめんなさい」
と謝る声が聞こえる。
茶々の飼い主である女の子、小学五年生の
まだ小学生なのだが、
そんな俺の視線を感じ取ったのか、茶々は「ムキーッ!」と言って、俺の髪の毛に
(俺の髪の毛に当たるのは
事の
塾からの帰り道。時間帯は夕方で、場所は踏切だという。
思い当たるのは、心理学でいう所の『
どうやら、夕方である18時頃は、人間における体内リズムが
これを逆手にとって「放課後に告白すると成功率が上がる」というのは有名な話だろう。夕暮れの学校など、生徒の姿もなく、雰囲気もそれなりにある。
「ずっと前から好きでした」と告白するには持って来いだ。
しかし、スポーツや運転を行っている場合は、注意が必要だろう。
思考が鈍るので当然、事故を起こす可能性も上がる。だが、今回の場合――
(『黄昏効果』にしては、
夕暮れ時には冷静な判断が出来なくなるとはいえ、短期間に同じ場所で複数の人間が怪我をするなど、誰がどう考えても
塾長はウチの所長と面識があるらしく、裏の仕事についても知っているらしい。
いの一番で「相談しに来た」というワケだ。
受験を
そこまでは理解するが、
頼りにされているのかもしれないが、
(普段から多くの人に使われている踏切だ……)
理由もなく
俺は塾長に許可をもらって、塾の生徒たちに詳しく話を聞いてみた。
結果、色々と分かってくる。
まず、事故に
晴れた日の夕暮れ時に限られていた。
また生徒たちの中には、転んだ際に「自転車のハンドルを
(転んだのは、それは理由か……)
どうやら、塾長が心配していた通り、
俺に「この事件を任せた」という事は、所長も
さて、そこまで分かれば、
呪詛師の仕事としては原則2人以上での行動が義務付けられていた。
(こういう仕事に関しては『呪い屋』が向いているか……)
俺は『くるみ荘』に住む一人の女性を思い浮かべた。
彼女としても1人で行動するのはリスクが高い。
興味はないか?――と連絡した所、二つ返事でやって来たというワケだ。
丁度、商品を切らしていたらしい。
(彼女らしい理由である……)
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φ(ФωФ=)メモニャン 再び事件です。
塾の生徒たちに聞き込みもしました。
『呪い屋』って、どんな人?
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