エレベーター前で見たあの子

天川裕司

エレベーター前で見たあの子

タイトル:エレベーター前で見たあの子



僕は今日、怖い目に遭っちゃった。

僕が住んでいるのは都内の高層マンションで、中にはエレベーターがある。

僕ら家族が住んでいるのは7階。

天気の良かったその日、ちょうどマンションのロビー外の花壇の所で、

とてもキレイな女の子を見つけてしまった。

この子も僕と同じ、小学校2年生ぐらいかな?

その子はピンク色の洋服を着て、傘を持って花壇の所に腰掛けてた。

その子がモロタイプだったのもあり、僕はしばらく見つめちゃった。

で、すぐその場を立ち去ろうとしたのだけど、

「ねぇ、君、私のことが見えるの?」

と言ってきた。

「え?」と思い…

・私のことが見えるの→本来なら見えない→つまり幽霊??

の図式がたちまち出来上がり、

「見ちゃいけないものを見てしまった?!」

と僕は全力疾走でその場を立ち去った。

そしてエレベーターの所まで行き、

ちょうど1階に止まってたからすぐに乗り込み、

急いでボタンを押した。

でもこの時、あまりに焦ってたので5階を押しちゃった。

そしてすぐさま7階を押し直し、速攻でドアを閉める。

あの子はまだ花壇の所でこっちを見ていただけだった。

「ふぅ、よかった。でも何だったんだろあの子」

自分も男ながら少しあわくりすぎたかなぁ…

なんて思いつつ、先に止まった5階で又「閉めるボタン」を押し、そのまま7階へ。

7階に着いて普段の調子を取り戻し、そのまま部屋に戻ろうとしたところ、

「あ、ここにいた。さっきはごめんね♪変な冗談言っちゃって」

とさっき花壇で見かけたあの子が謝ってきた。

冗談って言われて、ちょっとでも焦った自分がバカみたいだったけど、

「意外と律儀な子だなぁ、可愛いなぁ」

なんて思いつつ、その子も階段を降りて行ったので、

僕も部屋に戻った。

でも玄関を入ってから、

「ん?」と首をかしげた。

あとから親に聞くとあのエレベーターで、

雨の日に1人の女の子が事故で亡くなっていたと言う。


解説〜

主人公はエレベーターに乗り、5階を押して7階を押しました。

なのに主人公が7階に着いてほとんど間髪入れず、

すぐにマンションの1階ロビー外の花壇の所にいたあの女の子が現れました。

小さな女の子が果たして、そんなにすぐ階段を上って来れるでしょうか?

それに5階を押して7階を押したのですから、女の子には、

主人公が5階で降りたのか7階で降りたのか分かりません。

それも時間経過から見て、ドンピシャで当てる事ができたのはなぜ?

そして以前に女の子がそのエレベーターで雨の日に、

事故に遭って亡くなっていた事。

晴れた日なのに傘を持っていたのはもしかして…。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=wGM6Iqi3BGw

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