異能力者として転生したけど、無能らしいです…

@mdat

一章 降り注いだ黒い悲鳴

Prologue

プップーー

「__________________________________________え?」

それは、ほんの一瞬だった。

雨のせいで、視界が悪く、一台の軽トラが、

1人の青年を轢いてしまったのだ。


青年…霜雷彩しもらいあは、轢かれたことが一瞬わからなかった。

突然やってきた全身の痛み、ぼやけて見える世界を見て、彼は思った。




(あぁ…死ぬんだな。俺)





腹部には傘の先端が、体はあちこちに折れ曲がっている。

雨のせいか、体温が全て奪われていく。



(もうちょっと生きたかったな…。)



声も出なければ、足も手も動かない。

こんな死に方なんてあり得ない。

わずか、15歳で死に至るなんて。彼自身も驚いているだろう。



(もう無理だな。さようなら。俺の人生)



そう思い、瞼を閉じた。

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