第34話… こんなことってある?

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 年長組の研修先が S市だとわかり

 マサ先生がスタジオに来て

 緊急の妄想劇場が繰り広げられた



 広いS市で

 別れた2人、アミと元カレが

 偶然 再会するシチュエーション…


 マサ先生の

 一人芝居が上手くて 大爆笑して


 ちょっと不安にもなったから

 甘いもので紛らわそうと

 喫茶店に寄ってみると

 そこには偶然 アミも居て



 相棒の笑顔を見たら

 不安も どこかに吹っ飛んだ



 はずだった…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 → 喫茶店を出た俺と相棒アミ



「結構ボリュームあったよ!

 シャインマスカットケーキ!

 美味しかったぁ〜((( *´꒳`* )))ポワワーン」



 幸せそうな顔を見て

 こっちまで 幸せになる



 大好きな人の笑顔に

 勝るものは無いな…



「次は俺もシャインマスカットだな!

 …そうだ!

 食べたあとは 運動!

 久々にどう?スタジオでレッスン!」


「えー!横腹痛くなるぅ!(๑¯ㅁ¯๑)」


「最近 少し腰周りに 肉ついたよな?

 ほら プニプニだ…(´▽`*)アハハ」


「やー!触んないでぇ!( °-° )ノ)`-° )デシッ!!!

 …でも 卒業式に着るスーツも

 着れなかったら嫌だなぁ~

 "袴"っていう選択もあるけど

 どっちにしてもダイエットしないと…」


「ダイエットと言えばダンスだろ( *¯ ꒳¯*)?」


「…そうやって なんでもダンスに

 結びつける〜!(´∀`*)」


「…行く?」


「うん!」




 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:




 喫茶店を出て わちゃわちゃする

 お互いの腰に腕を回し歩き出す


 話は尽きない…

 でも今は 喫茶店近くの公園で

 話の続きをすることは 無くなった



 今の 俺と相棒アミ

 親友よりも濃い関係


 自由に心を通わすことが出来るし

 どこへでも行ける




「今日は食べたばかりだから

 お手柔らかに頼むね!

 お誕生会のダンス以来だから

 また筋肉痛になったら

 笑われちゃう(´∀`*)ヶラヶラ」


「仕方ないな…今日はユル〜いダンスで

 体慣らしだな」



 外は少し寒くても 相棒と歩けば 暖かい

 どんな景色も 一緒に見てみたい


 これからもずっと…こうやって2人で…





 なんて 呑気なことを考えてたら





 

 信じられない出来事が

 目の前で起きた





 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆






「え?アミつん?」





 ん?…

 どこかで聞いたことがある呼び名



 足元から視線を正面に移す



 はっ(*゚ロ゚)!!!!…よ…予知?



 


 俺たちの目の前にいたのは…




「あ、サトちん…」


 そう言うと

 アミの腕は 俺の体から離れた




「奇遇だね(*´꒳`*)…元気だった?」


 柔らかく微笑んで

 優しく話しかける アミの元カレ…






 俺の咄嗟の行動



 何を血迷ったか…





「こんばんは!(´∀`*)」と 元気に挨拶


「あ、こんばん…っ…」


「アミ、先に行ってる…」


「え?…う、うん…」


「それじゃ…(*・ω・)*_ _)」


 相手の挨拶を最後まで聞くことなく

 一礼すると






 俺は その場から逃げた…≡┏( `Д´)┛





 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜





 ま






 ま…








 まぁ…






 柾國まさくにアニキ…







 て…







 (」゚Д゚)」~<…てぇへんだぁぁぁぁ!!!!!!





 スタタタッ εε=(((((ノ`・Д・)ノ!!





 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜





 → スタジオに 戻ってきたのぞむ



「………」



 なんだよ これ…

 こんなことって ある?



 マサ先生 特殊能力の持ち主?

 エスパーの俺より凄くない??



(lll-ω-)チーン




 いや、エスパーじゃないけどさ…




「……クソッ…」



 1人で帰ってきて 後悔してる

 どうしてアミを

 あの場に置いてきたのか



 今更 元カレや アミに気を遣うこと ある?



 堂々と

 "アミの横にいるのは俺だ!"って

 見せつけることだって出来たのに




「はぁ…(。´-д-)」





 俺がやるべきこと…




 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆





 ──「あれ?のぞむ先生!どうしました?」




 そう…ひとまず マサ先生に報告

 ε=ε=ε=ミ( ノ_ _)ノ=3 ズコ-!! ヘタレ万歳!





 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:




「マサセンセイ……」


 ──「また声がちっさいんですけどw」


「てぇへんだ…アニキ…」


 ──「アニキ…ww」


「俺の目の前で再会しちゃったよ…」


 ──「…え?」


「元カレと アミが…」


 ──「…ヒィィィィィ」


「置いてきちゃった」


 ──「は?」


「アミを…元カレのところに…」


 ──「な、何やってるんですかぁっ!!!!」



 ホント…アホか 俺は…



 ──「で…? のぞむ先生は

 どこにいるんですか?」



「スタジオにいる…」


 ──「そうですか…

 今、僕も外なので そちらに向かいます」


「えっ…」


 ──「辛気臭い話は

 電話より会って聞いた方が…

 それに 面と向かって

 のぞむ先生をイジれるので」


「(;´∀`)…ァハハハ…ハハ…ハ…」





 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜





 → 柾國まさくに スタジオに到着 \(`・ω・´)/シュタッ!




 スタジオに入ると

 こちらに背中を向け フロアに座り込んで

 ガックリ肩を落としてるのぞむ先生がいた



「………」



 哀愁を帯びた後ろ姿…ウケるんだけど…




「…ったく!

 あんなに余裕ぶっこいてたのに

 何ですか このザマは!!!!

 超 かっこ悪いっっ(///`-´///)!」


「…ハハッ…だよねぇ」




 背を向けたまま のぞむ先生は呟いた



 あんだけ 俺の妄想劇場には

 大爆笑してたのに




「まさか…ホントに再会するとは…

 ビックリですね」


「…彼の」


「…はい?」


「アミを見つめる目が 優しくてさぁ…」


「………」


「きっと話…したいんだろうなって

 思っちゃって」


「んもー!優しすぎるんですよ!!!!!!

 のぞむ先生は!!!!ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!!」


「・・・・・・」


「……今頃 小洒落たBAR…だったりして」


「かもね…」


「"今夜は…"?」


「"君の中で踊りたい"……って おぃ…

 言わすなよ...(lll-ω-)チーン」


「(*°∀°)・∴ブハッ!!w…ダサっ!」


「何とでも言って…(。´-д-)ハァ」




 何だか 可哀想になってきた…

 相当 参ってるみたいだ




「マサ先生…」


「はい?」


「アミが…」


「………」


「……俺のところに 帰ってこなかったら

 どうしよう…」


「"俺が信じてあげないと…"って

 言ってたじゃないですか!!

 弱気になって どうするんです?

 今 アミ先生の相棒は

 のぞむ先生なんですよ!?」




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 → 柾國まさくにに一喝入れられ

 更にショボンなのぞむ



 妄想劇場の時は

 アミに限って そんなこと有り得ないって


 今まで 一度も…別れた彼氏と

 復縁したこともなかったから

 余裕で笑い飛ばしてたのに



「自信満々かと思えば めっちゃ弱気だし…

 面白すぎますよ!!…

 ヘタレだと言われたことは?(๑´ㅂ`๑)ハハッ」


「言われたことないけど自覚はある…」


「まぁ、僕が知る限り

 アミ先生は 大丈夫だと思いますけどね〜

 でも…元カレが困ってる顔をしていたら

 何とかしてあげなきゃって

 なっちゃうかも…アミ先生 優しいから…」


「…そうだね…アミは優しいんだよねぇ」





 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 アミ先生を語る

 ほんのり笑みを浮かべる

 のぞむ先生の顔も優しい顔をしている


 ホント似てるなぁ…

 のぞむ先生とアミ先生


 優しいところも…

 かっこいいところも…



のぞむ先生は その場にアミ先生を

 置いてきたことを反省しながら

 ここで1人待つ!!(`・д・)σ STAY!!」


「え!…一緒にいてくれないの?」


「何言ってるんですか!!

 僕が一緒に待ってどうするんです?!

 邪魔でしょうよ!

 そんなに図々しくないです!

 空気ぐらい読みますよ!

 僕は のぞむ先生だから諦めたんですよ!

 それとも そんなに自信がないなら

 僕が奪ってもいいんですか??

 んあ゙〜??(#゚Д゚)はぁ…はぁ…」




 勢いよく 捲し立ててみたけど




「………」



 反論無しか…


 相当 不安なんだろう…


 でも 当人同士の問題だから

 俺はこの辺で



「(。´-д-)はぁ…付き合ってられませんね!

 僕は帰ります!」




 バタン…っ…



 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:



「あ…帰っちゃった…(。´-д-)ハァー」



 "もう手放さない"って 決めたんだ




「迎えに…行こうかな……」



 アミに電話をしてみる




 プルルル…プルルルル…



「……で、出ないよぉ」






 …アミはもう


 …帰ってこないのか?


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