第31話… 繋がる
*・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:
壮行会の日
拒むアミに 力ずくで触れた
涙を流しながら
俺へと伸ばされた 震える細い指を
握りしめることも出来なかった
今日は 焦ることも
戸惑うことも
これから会えなくなることもない
あの日の出来事に
上書きできるように
今の気持ちを誤魔化さないで
アミを抱きしめよう
「ふかふかだね…(*´꒳`*)」
「前より 広いベッドだから
思いっきり転がっていいよ」
まだ酒が残ってるな…
アミの笑顔が
俺を派手に酔わせるから
心が
疼くような スリルというか…
なんなんだ これは
…ゾクゾクする
ベッドサイドを灯す
暖色の間接照明が
一糸まとわぬアミを妖艶に魅せてくれる
うつ伏せに寝そべる背中を唇で攻めると
枕に顔を埋めたまま
「のん……ぁっ…」
俺を呼ぶ
この甘ったるい声を聴く
ダメだろ…ぉ…
我慢なんか出来るわけない
ヌゥ…ッ…
アミの腰を少し浮かせて
陶酔感に浸っていると
「はぁ・・・」
背中をうっとり眺めて
柔らかな肌に手を這わせる
"今、アミの中にいる…"
もう二度と
触れることは無いと思っていた
「………」
「・・・・・・」
「…………」
「・・・・・・・・・」
「…………」
「・・・・・・・・・」
「…ねぇ」
「・・・・ん?」
「……動かないの?」
「・・・うん」
「……」
「・・・・・・」
「………」
「・・・・・・・・・」
ヘコ…
「……ッ…」
「・・・・・・・・・」
ヘコ…
「…ッン……」
「・・・・・・・・・」
ヘコ…
「……ッハァ…」
ヘコ…
「…アッ……ッ…」
「・・フゥ・・・・コラ 動くな・・・」
「だってぇ…」
「今 馴染ませてるんだから…」
じっとしてたのに
アミが勝手に動くから
"我慢出来ないのか…"
嬉しい……っ…
昂ぶる興奮と暴れたくなる衝動を
ひたすら耐える
「・・・・・・」
「…ねぇ…な、なにこれぇ、っ…」
「・・・ん?どうした?」
「…ゃ、ビリビリするんだけど」
俺は動いてない…
なのにアミは…
「のん、ダメっ…ぃっ、っ!」
「・・・・・・キたのか?」
「んんっ!!!!…なにこれぇ、ハァ…ッ」
感度がいい方だとは 思ってたけど
ここまでとは…
「次は 俺…」
一旦 撤退と見せかけて…
「ンッ…ッ…」
「ハァ・・・っ・・・」
名残惜しそうなトロトロのアミを
淫らに揺らしていく
「ちょっとぉ、っ…今、やぁっ」
まだヒクヒクしているアミの躰が
悦んでいる…
はぁ…これ やべぇな……
汗ばんだ声を撒き散らして
乱れる髪も
そのまま
そろそろ顔が見たくなる
向かい合わせに体勢を変えた
「のんっ…」
「はぁ……っ…」
アミの手のひらを握りしめて
額に、頬に、耳に、首に、唇に…
キスを落としていく
ユラユラ揺さぶりながら
しばらく味わって 見下ろせば
「のん、ぎゅぅしてよぉ…」
うわぁ……何だって?…
甘える声に 心が大きく乱される…
「はぁ…っ、すげぇ可愛いっ…」
両腕を広げたアミの躰を抱きしめる
逃がさないと言わんばかりに
出会った時から 今までの
恋い慕う気持ちを刻み込むように…
そして 今まで言いたくても
言えずにいた言葉が漏れた
「アミ…っ、好きだよ …好きだっ…」
「わたし…も、のん好きぃ、っ!」
アミも俺の事が…好きなんだ…
ゾクゾクッ…
「はぁっ…う、っ!…くっっ、ぅ」
「っ…ぁっ!!!」
ホカホカに赤らめた顔を 見つめると
涙を
優しく指で拭いながら聞いてみた
「……ごめん…また泣かせたか?」
「ふふっ…嬉し泣き(*´艸`)」
「良かった…」
柔らかく微笑む
俺の…
ん〜( ̄-  ̄ )…
「…のん?」
「今日は 朝まで帰らせないから」
「…え?」
。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆
幸せな空間に身を委ねながら
思う存分 2人で
いつの間にか 眠りに落ちていた
ゆっくり目を開けると
部屋は 薄ら 明るくなっていて
目の前には 私を両腕に
寝息を立てる
「のん…」
頬を撫でても目を覚まさない
「ふふっ…疲れたよね(*´艸`)」
。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆
壮行会の日…
楽しそうな笑い声や
盛り上がっていた 貸切の居酒屋
ちょうどトイレから戻る頃
どうしてあの場にいたのか…
あまりよく思っていない
声を掛けられた
何度か飲み会では見かけていたけど
あまり話したことがなくて
誰にでも 馴れ馴れしく
口を開けば 上からものを言う印象で
案の定 あの日も 私に対して
さすがに気分が悪くて
席には戻らず
せっかくの 壮行会…
この人の言葉を 他の参加者の耳に
触れさせたくない…
店の外へ出て その人を
"
俺と付き合え"と
おかしなことを言うから
頭に来て 言い返したら 怒らせてしまった
そんな時
助けてくれた
カッコよくて
そして もっと 好きになったんだ…
居酒屋を2人で抜けて
肩を組んで歩いていた
「俺が居なくなったら…寂しい?」
ドキッとした…
"寂しくないよ!"
可愛げのない意地を張った
あの時 素直に寂しいって言えば
なにか変わっていたかもしれないね
。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆
引越しの準備が
まだ終わっていないという
もう この部屋にも入ることもないんだ…
ダンボールが積み重なっているのを見て
一気に寂しさが込み上げてくる
全然平気なフリをして
「どこから荷造りしようか?(*´꒳`*)」
その言葉を笑顔で言う私は
かなり無理をしていた自覚はある
突然 正面から抱きしめられて
涙が溢れそうになった
ねぇ、
今、どんな思いで抱きしめてる?
怖くて聞けない自分がいて
"ダメだ…帰らないと"
また近いうちに手伝いに来るって
カッコつけたのに
今度はキスをされて
一瞬 何が起きたのか わからなくて…
このまま 進んだら…もっとツラくなる
これ以上 流されないように
精一杯 拒んだ…
私のカラダを乱暴に貪る
私の正気を鈍らせる
拒んでいたはずなのに
"行かないで"の言葉を飲み込みながら
漏れ出す感情に従う
…私達、親友なんだよ?
…どうして こんな事するの?
…
…
言ってもいいの?
…私の恋愛体質 知ってるくせに
…離れたくないから
…ずっと一緒に居たいから
…言わなかったんだよ
ヨガりながら色んなことが
脳裏を掠めていく
何も言わずに
呼吸を乱しながら
目は
何かに取り憑かれたような顔
そんな
離れていかないように
必死にしがみついて 名前を呼んだ
"きっと
そう思うとカラダは悦び
高揚感に包まれた
顔を歪めて 息を荒く吐き出して
お腹の上に熱を放った…
嬉しかった…
頬に涙が
抱きしめて……欲しかった…
私の気持ちが
伸ばした手は
握られることなく
耳を疑う
淡い期待も音を立てて崩れ落ちた…
私は
愛し合うことも 許されないんだ…
想いを残すことも 許されないんだ…
全部 忘れろと言うなら…
忘れてあげる…
*・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:
あの日の私を思い返していた
「…お互い 想いあってたなんてねぇ」
穏やかな気持ちで
じっと
何だか夢の中にいるみたい
「アミ、寒くないか?…」
「…あ、起こしちゃった?」
「もっと こっちおいで…」
モゾモゾ動いたかと思ったら
寝言のように言う
布団を掛け直してくれる
「のん…」
「ん?…」
胸板に額をつけたら
私を抱き寄せた
「…どした?」
もう 消えることない?
もう 褪せることない?
「私…離れないよ?」
「…離れたら 死ぬ」
「…(*°∀°)・∴ブハッ!!w 大袈裟な!」
「…大袈裟ぐらいがちょうどいい
それぐらい 大切だから」
「…ふふっ(*´꒳`*) 」
「やっぱ 朝が来ても帰るなよ…」
もう…朝なんだけど……
。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆
あの日 泣きながら帰った私に伝えたい
── 勘違いだったみたいだよ…
私の事 ちゃんと好きだったよ…
だから 泣かなくて いいんだよ… ──
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