第30話… 俺たちのスタイル

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 誘われて 飲みに行ったBAR

 俺が突っ伏して寝ている間に

 アミが召喚されていた



 タカピーが帰る時の

 "もう逃げるな…"という言葉に

 背中を押され

 あの日のことを謝罪…


 長い間 苦しんでいた

 呪縛のような出来事から

 やっと開放された




 当時の俺たちは

 互いに想い合っていた





 元に戻るなら 今だ…




「アミ…」


「ん?」


「俺とまた やり直して…」


「それは無理だよ、のん




「えっ…」


「やり直すのは無理だよ…戻れない…」


「なんで?親友に戻って

 前みたいに一緒に…」


「今は 状況が違うでしょ!

 …それに 私

 サトちんと別れたばかりだし…」




 …サトちん…だと?

 イラッ…( * `-´ * )



 アミの腕をグイッと引いて 抱きしめた



 ギュッ…




「ち、ちょっと何っ?!」



 暴れるアミを しっかり抱きしめる



「今、俺と居るのに

 元カレの名前出すとかダメだろ!!

 別れて1ヶ月は 経ってるよな?!

 …まだ未練あるのか??」


「抱きしめる必要ある?!

 未練とか そういうことじゃなくて!!

 プロポーズされて

 一度は 結婚も考えた人だから…!

 のんだって

 サトちんのことで相談した時に

 "昔とは違う!"って言ってたじゃん!

 私も いい加減 変わらなきゃ…

 いつまでも のん

 頼ってちゃ ダメなんだよ…」




 別れた男に そうやって気を遣う…



 "自分のせいで 別れた"と

 相手より先に

 気持ちが冷めてしまったことを

 責めて 制する



 俺は そんなアミが

 心配で放っておけなかったんだよ…





「変わらなくていい…」


「……」


「もっと 俺に頼っていいよ…」


「……」


「昔と違うって言ったのは…

 彼にプロポーズされて

 俺の手が届かないところに

 いってしまうと思ったから…」


「………」


「アミに執着する自分を律するために

 言ったんだよ…」




 腕の中で大人しくなったアミを

 抱きしめたまま 話を続けた




「誕生会の打ち上げの帰り…

 送って行くって言ったのに

 どうして俺を置いて行った?」


「…最近 のんと一緒にいる時間が増えて

 これ以上 距離を縮めたら

 気持ちがよみがえってきそうだったから」


「……マジ?」


「忘れろって言ったから

 思い出さないようにしてたの!

 …サトちんと出会って

 のんとの記憶を淡くしてもらったけど

 運悪く再会しちゃった…」


「…運悪くって 何だよ(´∀`*)ヶラヶラ」


「もう 大丈夫だと思ってたのに

 …彼に対して何か嫌なことがあると

 気持ちが冷めてしまうのも

 やっぱり変わらなかったよ…」


「…うん」


「きっと…傍には いつも

 のんが居たからなのかなぁ…って

 考えちゃうよね…」


「そう!俺の存在が

 大きかったって事だ…」


「…うわぁ……偉そう(´▽`*)ハハハッ」


「…今回もタイミングよく

 俺と再会出来て

 良かったってことだ!(´▽`*)アハハ」


「ったく!!勝手に丸く収めないで!

 ほら、もういいでしょ!離れてよっ!」




 会えば会うほど アミへの想いが募って

 留学で離れている間

 一旦 保留にした自分の気持ち…

 再会してからは

 昔よりも もっと そばにいたくて

 抑えるのも苦しかった




 巡ってきたチャンス…

 もう 無駄にしない




 認めてしまおう…




 再び 俺の腕を振りほどこうと

 暴れ始めたアミをなだめる



「これからの俺たちは

 友達でも親友でもない関係…

 ってことだよな?

 まぁ…"付き合う"とか "彼氏彼女"とか

 今更 そういうくくりも

 必要ないし…」


「………」


「アミと俺…

 知り合って どれくらいだっけ?」


「ん〜 5年以上経つよね…?」


「歴代の彼氏で最長 付き合った期間は?」


「い、1ヶ月くらい…」


「ほら!

 だから "しがらみ"なんか必要ない…」




 一般的には"恋人"と位置づけられる関係



 そう…俺たちは

 "俺たちのスタイル"で 一緒にいればいい




「俺は アミと知り合ってから今まで

 嫌な部分も隠さず見せてきたつもり…

 お互いの誤解が原因で

 会えなかった期間はあったけどな」


「…うん」



「仲が良かった頃みたいに

 となりに居てくれたら それでいい」


「…そうだね

 でも なんか複雑ね!

 結局 どういう関係なの?(´∀`*)ヶラヶラ」


「ハハッ…お互いが それぞれ

 相手の"存在意義"をわかっていれば

 俺らの関係に付ける名前も必要ない」


「そっか…確かに!(*´꒳`*)」


「鼻毛が はみ出ていようが

 クシャミとオナラが同時に出ようが

 俺は 離れるつもりは無いからな!」


「(*ノ∀`)ノ゙))アヒャヒャ!のんのオナラは

 何度も聞いてるから

 全然大丈夫だと思う!!」


「…それじゃ 和解ってことで良い?」


「…長い戦いでしたね(*´꒳`*)」




 ホント長かった…

 なんでも話せる仲だったのに

 肝心なところを避けていた結果

 こんなに拗らせた


 最初から こうやって

 想いを伝えていれば良かった…




 ギュッっ…



 さらに強く

 腕の中に閉じ込めると

 アミも俺の背中に腕を回した




 もう少し 進んでみようか…



「それで…相棒よ」


「。゚(゚ノ∀`゚)゚。アヒャヒャ!相棒って…」


「和解のキスでも しとく?」


「軽いなぁ!!する訳ないでしょ!」


「ハハッ!恥ずかしいのか?」


「うるさ…っ!…」



 なんか 喋ってたけど

 まずは1つ 既成事実を作っておきたくて

 アミの唇を塞いだ



 あの時と変わらない

 柔らかなアミの唇を ゆっくりと味わう



 思った以上に 気持ちよくて…

 優しくなぞるように舌を滑らせ

 アミとのキスを堪能


 頭の中が真っ白になってくると

 相棒が また暴れだした



「んっ…プハッ…ちょっと!

 ここ 外なんだけどっ!」


「じゃあ、家なら良いの?」


「は?!そういう事じゃなくて!

 もう!恥ずかしいから離れてってばぁ!」


「今更 照れるなって!(´∀`*)」



 急いで アミを連れて 俺の部屋へ




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆





「え!スタジオからめっちゃ近いじゃん!

 わぁ〜前に住んでた部屋より広〜い!!

 相変わらず綺麗にしてるねぇ〜!」


「もう良いから 黙って…」



 再び 抱きしめると

 早々に夜風で冷えた唇を塞いで温める


 さっきよりも濃厚に…

 そして 淫らに吐息とともに音を立てる


 唇から離れると

 とろんとしたアミの顔がボヤけている



「ねぇ…近すぎる…」


「もっと顔 見せろ…」


「もう少し離れたら見えるでしょ!」


「見えなくなるくらいの距離で

 見たことないから…」


「意味わかんない!

 こんな時に ふざけないでよぉ!」


「次、どこにキスしてほしい?」




 腕の中に アミが居る…


 気持ちが舞い上がっているのは

 言うまでもない




「…のんが好きなところなら

 どこでも良いよ」




 おっと…そう来たか…



「じゃあ、遠慮なく……」


「あ!また じゃあって言っt…んっ♡」




 だから うるさいんだって…

 黙って 俺に 委ねてろ……

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