第23話… 昔と違う

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 → ダンススタジオ



 本番を明後日に控えた 通し練習後

 帰り支度時に

 アミが 彼氏にプロポーズされたと言った


 まだ返事はしていないらしいけど



 ── おめでとう! ──



 精一杯

 強がって吐き出した言葉もそぞろ…

 想像以上にショックを受けているところを

 鋭いマサ先生に 見透かされた



「僕以上にショック受けてて

 ウケるんですけど!(´∀`*)ヶラヶラ」


「…だよなぁ…今さら遅いよなぁ」


「…僕で良ければ お話、聞きますよ?」




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 親友じゃなくなった日のことは

 話さない



 だけど




「たぶん、出会ってからずっと

 好きだったんだと思う…」


「長い片想いですね…」


「このまま 一緒に

 居られたらいいのにって思いながら

 アミに酷いことをしたから

 …もう 親友には戻れない」


のぞむ先生がアミ先生に

 何をしてしまったのか知りませんけど

 ……ツラそうですね」





 ポツリポツリと話す俺に

 相槌を打ちながら聞いてくれる



「マサ先生って…いい人だね」


「なんですか、その言い方!(´^`*)ムー」




 周りに隠し続けてきた

 本当の気持ちを吐き出せて

 スッキリしている



「ライバルに こんなこと言って

 良いのか?俺(´∀`*)ヶラヶラ」


「ライバルなんて おこがましい!

 のぞむ先生には 敵いませんよ…

 僕にとって アミ先生は

 "憧れの先生"です…

 それ以上の感情は……」




 マサ先生も ツラい立場なんだよな…

(¬_¬ )ジーッ



「あぁっ!今、僕のこと

 可哀想…とか思ったでしょ!」


「うん、思った…(*´艸`)」




 2人で笑うと さらに気持ちが軽くなった





「アミ先生は…

 お迎え彼氏さんのモノに

 なっちゃうんですね…」


「・・・・・そうだろうね〜」


「…その前に アミ先生を奪うっていう手も

 ありますけど?(ノ∀≦。)ノぷぷ-ッ笑」


「怖いこと言うねぇ!。゚(゚ノ∀`゚)゚。アヒャヒャ」




 もう…そろそろ

 想いを断たないと…



 アミの幸せを

 願ってあげないと…




 後で "ぼっちケーキ"にでも行こうかな




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 → 吸い込まれるように

 想い出の喫茶店に入ったアミ




 ダンスで身体を動かした後は

 甘いものが食べたくなる


 エネルギー補給よ!



 同時に…考えたかった

 サトちんのことも…



 さぁ、今日こそ!

 新作抹茶シフォンぜんざいを…



 食うっ!!!!!( *˙0˙*)۶




 まさか…居ないよね?


「・_・ )(「・_・)"キョロキョロ

 やつが 居ないのを確認



「かしこまりました!」




 よぉし!無事 注文したどー\(*°∀°*)/




 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:




 ケーキとコーヒーが運ばれるまで

 スマホを覗いて待つ



 サトちんからのメッセージ


 "今日も練習 お疲れ様!

 そろそろ本番…怪我しないでね♡"



 優しいなぁ…サトちん…

 こんなに迷ってる自分が 恥ずかしい



 …返事 どうしよう


 画面を伏せてテーブルにスマホを置く



 カピィ先生には

 話し合った方が良いと言われたけど


 心のモヤモヤは

 私が我慢すれば 良いだけのこと…



「はぁ…(´△`)」



 S市に 行くなら

 紗蘭さらん幼稚園も退職か…



「はぁ…(。´-д-)」



 私が…夢を諦めれば済むこと…



「…(¯□¯ )ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」




「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙って何だよ(ノ∀≦。)ノぶはっ」


「やー!なんで?

 また来たの?のん…」


「俺もここの 常連だし( *¯ ꒳¯*)」


「はいはい…そうでしたね(´^`*)」


「練習後のエネルギー補給だ!」


「………」



 さっき私もそう思ったし!


 考えることが 一緒

 気が合うんだよなぁ〜




「(。´-д-)ハァ-…」


「俺の顔見て ため息つくって

 いい度胸だな、おぃ!(´∀`*)ヶラヶラ」


「すみません(´▽`*)アハハ」




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 ちゃっかり のんも向かいに座る


 2人が注文したものが運ばれ

 食べ始めると

 のんが 口を開いた



「…ため息の元凶は?(≧ч≦)…ウマッ」


「気にしないで食べな…(*¯ч¯*)'' モグモグ」


「彼氏のことだろ?(。•~•。)モグモグ」


「わかってるなら聞かないでよ…

 抹茶ぜんざい、ウマッ( ºロº)!!」



(/◎\)ゴクゴクッ・・・

 コーヒーを飲んだのんが言った



「まさか…」


「・・・・・・っ・・・」


「彼氏、クシャミと一緒に

 オナラしたのか?」


「・・・は?」


「あ!アレだ!抱きしめられて

 見上げたら ニョキっと鼻毛出てた??」


「(*°∀°)・∴ブハッ!!w」


「…汚っ!吹くなよ!」


「だ、だってぇ!(*ノ∀`)ノ゙))アヒャヒャ」


「アミが過去に

 男に冷めた原因の一例だろ?(´▽`)アハハ」


「よく覚えてるね!

 しっかし、最低だな 私(´▽`*)ブハハハッ!

 お腹痛いわ!」



 昔から そうだ…

 こうやって笑わせてくれて

 沈んだ気持ちを浮上させてくれる




のん…」


「…ん?」


「聞いてくれる?」




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 → 家に戻った柾國まさくに



 ポケットに入っている部屋の鍵を取り出し

 ふと顔をあげると

 玄関の前に立っている人影



「うわぁ!ビビった!」


「やっと帰ってきた〜!」


敏也としや!」


「ごめん、泊めて!(>人<;)」




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 → 部屋に入った 敏也と柾國まさくに



「悪いな!急に現場から呼び出しあって!

 会議も長引いちゃって

 今日中に帰るの無理!ってなって

 明日昼から出社だから

 お前の顔見に来た!(´∀`*)」


「この顔で良ければ

 いつでも見せてやるよ(ノ∀≦。)ブハハッ」



 敏也が土産で買ってきた

 チキンを食べながら酒を飲む



「どう?憧れの先生とは…

 進展あった?」


「デデデデっ!!♪♪

 柾國まさくにの前に

 彼氏と最強ライバルが現れた…」


「うわぁ!ライバルも??どうすんだ?

 攻撃?逃げる?アイテム装着?」


「…逃げようかな」


「その選択、後悔しないのか?」


「…どっちにも勝てないから」


「マジか…」


「ライバルは とても良い人で…

 アミ先生のこと 長い間想っていて

 何でも知ってて

 アミ先生のことを話すときの顔が…

 すごく優しい顔になるんだよね」


「…そうなんだ」


「彼氏には プロポーズされたって言うし」


「アアアァァ( °∀°)ァァアアア」


「わかる?勝負するにも

 俺は同じ土俵にも立ってないんだよ…」


「…泣いとくか?胸貸すぞ?」


「何でだよ!(´∀`*)ヶラヶラ」



 勝ち目のない試合なんか

 するつもりもない


 だったら アミ先生の幸せを願って

 どちらかの セコンドに…





 敏也の前だから

 本音がポロッと口から


「好きだったのになぁ…(;;)ウッ」


「お前は頑張ったよ!

 …何を頑張ったのかは わかんねぇけど」


「わかんねぇって…ちょっ!

 お前まで何で

 うるうるしてんだよぉ(;;)」


「知らねぇよぉ…(;;)」



 今日 敏也が来てくれて

 良かったかもしれない…




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 → 喫茶店のアミとのぞむ



のん…」


「…ん?」


「聞いてくれる?」


「…いいよ」



 あの日 目撃したサトちんと先輩のことを

 のんに話した



「…うわぁ 目の前で?キツいな それ」


「…ふふっ 凄いでしょ!

 あと、あのSNSの投稿した人も

 その先輩だったの」


「ひぃぃ〜怖ぇ…」




 何でも話せた昔みたいに…

 消化不良の出来事を吐き出した



「謝ってくれたから…許せると思ったの

 好きだから、許せると思ったの…

 でも、取り繕われてるみたいで…

 そんな人じゃないってわかっていても

 ずっとモヤモヤしてて…」


「何を迷ってるの?

 これから結婚して一緒になるんだろ?

 好きじゃないの?彼のこと…」


「だけど…」


「言いたいことも 言えない仲なの?

 プロポーズもしてくれたんだろ?

 彼にとっても 一生に一度のことだし

 かなりの勇気で言ったと思うよ?」


「…彼にS市に転勤の辞令もあって

 一緒に行こうって」


「…S市、そういう事か」


「うん…遠いでしょ?」


「嫌なら嫌だって言えばいいだろ?

 自分の気持ちを濁してまで

 良い人ぶる必要あんの?」


「…でも 私には」


「…お前の夢はどうすんの?

 こうなったら諦めるしかないよな…」


「・・・・・・」


「フラフラしてたら彼氏に悪いだろ!

 俺は だし 何も言えない…

 自分で答えを出すしかない…

 昔と違うんだぞ!腹、決めろよ!!」




 ガタッ…



 のんは 席を立ち喫茶店を出て行った…





「……そんなの わかってるよ」


(。´-д-)ハァ-


 慰めとか 励ましてくれるとか

 のんに話したことで

 どこか期待していた私



 だよねぇ…

 自分で何とかしなきゃ…




 昔と 違うんだ…

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