第2話 法の守護者、冷たい微笑みの彼女

カケルとキクヨは、Twitterの投稿力を駆使して新しい世界で成功への道を歩み始めた。彼らはさらに強力な仲間を必要としていた。その候補者は、法の知識を持つ弁護士だった。


ある日、カケルはタイムラインを眺めていると、ある女性弁護士のツイートが目に留まった。そのツイートには、彼女の現在の苦しい生活と過去の辛い経験が綴られていた。彼女の名前はレイナ。賢く美しい容姿を持ちながら、愛想が悪いと噂され、依頼が減ってしまったという。


カケルは即座にメッセージを送った。


「レイナさん、あなたの投稿を見ました。もしよければ、私たちのチームに参加しませんか?法律の知識が必要なんです。」


数時間後、返信が届いた。


「本当に私でいいんですか?こんな私でも役に立てますか?」


「もちろんです。あなたの力が必要です。」


数日後、カケルとキクヨはレイナと会うためにカフェに向かった。彼女は冷たい表情をしていたが、その瞳には確固たる意志が宿っていた。


「レイナさん、今日は来てくれてありがとうございます。」カケルが先に声をかけた。


「こちらこそ、ありがとうございます。あなたたちの提案を受け入れることに決めました。」レイナは静かに答えた。


「過去のこと、大変でしたね。でも、あなたの力を必要としている人たちがたくさんいます。一緒に頑張りましょう。」キクヨが優しく微笑んだ。


その日から、レイナはカケルたちのチームに加わった。彼女はカケルのツイートの反響を基に、法律と判例を調べ、適切なアドバイスを提供することに専念した。


ある日、カケルは学校でのいじめに関するツイートを見つけた。投稿には、ある中学生の男子生徒がクラスメートから酷いいじめを受けているという内容が含まれていた。彼はすぐにレイナに相談した。


「この件、どう思いますか?」


レイナは資料を見ながら答えた。「学校のいじめに関する法律や判例はありますが、具体的なケースに合わせて戦略を立てる必要があります。」


「じゃあ、その戦略を一緒に考えましょう。」カケルは力強く言った。


カケルはツイートを使って、いじめの目撃証言や加害者の不用意な発言、実況動画を集めた。これらの情報は法廷での証拠として使えるものだった。


「これが目撃証言と動画です。これをどう使えばいいですか?」カケルはレイナに尋ねた。


レイナは情報を精査し、法的に有効な証拠として使えるように整理した。「この動画と証言をもとに、情報開示請求を行いましょう。これで証拠を固めていきます。」


カケルのアイデアを法律に触れないやり方に修正しながら、レイナは戦略を立てた。彼らの目的は、加害者を追い詰め、被害者を守ることだった。


「この証拠を元に、いじめが単なる軽いいたずらではなく、傷害罪に相当する行為であることを立証します。そして、加害者の転校を要求します。」レイナは冷静に説明した。


キクヨは一般の投稿読み手の心情を考慮し、感想を述べた。「このアプローチなら、多くの人々の共感を得られるはずです。被害者を守るための正義の戦いとして広めましょう。」


こうして練られた作戦で、カケルたちは加害者に対する圧力を強めていった。加害者は当初、軽いいじめだと油断していたが、カケルの投稿力で集められた証拠と情報開示請求により、次第に追い詰められていった。


法廷では、カケルの投稿で得た目撃証言者が次々と証言し、加害者の行為の悪質さが明らかになった。レイナは判例と法律の条文を駆使し、完璧な論理で加害者を追い詰めた。


「この行為は、明確な傷害罪に該当します。また、学校側にも管理責任が問われます。」レイナの冷静な弁論は、裁判官をも納得させた。


結果として、いじめ加害者の生徒は転校を余儀なくされ、その親も会社でのパワハラが暴かれた。カケルは会社の相談窓口にもツイートで呼びかけ、目撃証言や加害者の不用意な発言を収集し、証拠を固めた。最終的に、いじめっ子の親は懲戒解雇となり、海外子会社に現地採用で送り込まれた。


「これで、一人の命が救われましたね。」カケルがつぶやいた。


「はい、でもまだまだこれからです。守るべき人たちはたくさんいます。」レイナが静かに答えた。


こうして、いじめっ子とその親は自分たちが行っていた行為を身を持って味わうことになった。投稿は無料で即時に翻訳され、「悪事千里を走る」ではなく「悪事を世界で共有できる」時代になった。カケルの影響力は、もはや神様と悪魔の域に達していた。


カケル、キクヨ、そしてレイナはさらなる仲間を求め、新たな冒険に向かって歩み始めた。投稿力で全てが決まるこの世界で、彼らは弱い人たちを守り続けるために戦い続けるのだった。

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