第4話 村
レベルが一気に15まで上がってしまったわけだが、どうして急にこんなにレベルが上がったのだろうか。関係があるとすれば先の戦闘だが………ロックドラゴンを私が倒した判定になった?いやいやまさか。そんな欠陥はないだろう。いや、もしや私も戦闘に参加した判定になった………?そういえば経験値はバトルの貢献度に応じて入ると書いてあったし。いやいや貢献度も何も私は何もしてないが??
「意味がわからない………」
まあでもレベルが上がったのなら私に一切不都合はないし、いいか。
「おい、あんたは誰だ?」
不意に声をかけられたのでそちらを向くと、ロックドラゴンを倒した女の人が微かな警戒とともに私を見ていた。
「お姉ちゃん、この人は私を助けようとしてくれたの。だから多分悪い人じゃないと思うよ……?」
女の人にそう声をかける少女の声に若干警戒は緩んだようだが、とりあえず自己紹介をしておくことにする。このままあの女の人と殺し合いをしても絶対に勝てないだろうから友好を示しておかないと。
「えーと、初めまして。私はアヤだよ。あなたたちの名前とか聞いてもいいのかな?」
そんな風に話しかけると、二人はお互いに顔を見合わせた後自己紹介を始めた。
「私はドーラ。こっちは妹のラコだ。妹が助けてもらったことには感謝するがあんた、こんなところで何をしてたんだ?」
姉の角が生えた方はドーラ、最初に襲われていた方はラコと言うらしい。それにしても何をしていたかとは、難しいことを聞いてくれるじゃないか。人を殺していました?いやいやそんなこと言えるわけがない。少女ラコ曰く私は悪い人ではないらしいのだ。
「み、道に迷ってマシタ?」
「道に、ねぇ?」
流石に怪しすぎたのか、私のその言葉に胡乱な目を向けてくるドーラからは必死に目をそらし、このままではまずいと思い話題の転換を試みる。
「そ、そういえば。二人はこのあたりに住んでいるの?というか、二人の種族とか教えてもらっていい?」
私に向けられた視線がさらに強くなるが、努めて気にしないように振る舞っているとあきらめたのかため息1つついたドーラが質問に答えてくれた。
「そうだね、私たちはこのあたりに住んでいる。妹が竜人で私が真竜人だ。あんたは……竜人。だよな?見たところ」
「うん、そうだよ」
ふむ、真竜人とな?知らない単語が出てきたぞ。竜人とは何か違うのだろうか。というか竜人は見たところ身体的特徴もほとんどないと思うんだけどよく気づいたな。何か見分ける方法とかがあるのだろうか。
「ちなみに、あなたたちが住んでいる村か町まで連れて行ってもらうことってできる?私はこの辺りの地理に詳しくなくて、どこに行けばいいのかさっぱりわからないんだよね」
「はあ?じゃああんたどこから来たんだよ………まあいい。妹の例もあるし私たちの村に案内してやるよ」
「助かるよ」
ひとまず人の住んでいるところに移動できそうである。さっきの戦いでいきなり武器が破損してしまったので早急に何とかしたいところだ。
♦
ドーラに案内された場所はあまり発展していない感じの村だった。いや………うん。くそド田舎の村だった。建物の数は民家らしきものからひときわ大きなものまで含めて10程度で、建物の倍ほどの面積の畑が広がっている。
「ここが私たちの村、ドゥルグ村だ。行くところが無いならひとまず私の家に来るといい。客人として歓迎しよう」
ドゥルグ村、確かチュートリアルができる町がアインスとか言ったからそれとは別の村なのだろう。
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