【新作･金曜投稿】怪奇探偵 ～空色の探偵と不可思議な怪奇現象～

第2話 猫の怒りと守護神

『おい···············貴様ら···············自分たちが何をしたか分かっているのか？』

玲於「は？一体、何を言ってやがる···············というか···············お前はどこにいるんだよ！」

森羅「···············それに、お前は何者なんだよ」

『···············まぁ、もういい、貴様らを全員····················今すぐここで、噛み殺してやろう···············』

俺たちは焦っていた。声はするのに姿がない。そして···············この声の持ち主はやばい相手だと。

だが、次の瞬間だった。

森羅が後ろを見て叫んだのだった。

森羅「お、おい！！玲於！！」

玲於「な、なんだよ···············は？」

俺は森羅が見ている方を見た···············その先には4メートルほどの大きな猫がいたのだった。

瑠花「でかすぎ！！な、何あれ！」

森羅「まじかよ···············」

『····················あぁ？なんだ····················貴様ら····················この我の姿が見えるのか？』

玲於「あぁ、めちゃめちゃ見えとるで····················というか、やっと見つけた····················」

『····················フン、まぁいい···············それよりさっきも聞いたが、貴様ら···············自分たちが何をしたか理解しているのか？』

森羅「は？どういうことだよ」

玲於「いや··········まさか··········そんなはずは··········」

『···············まぁいい、あぁ、もうめんどくさいし···············やはり、今すぐここで貴様ら全員食い殺してやろう···············喜べ、我に食われるのだからな』

玲於「はぁ？どうやって俺たちを食い殺すつもりだ」

『俺様は····················猫の神だぞ？』

そして次の瞬間···············猫の化け物が襲ってきたのだった。

森羅「あぶね！！」

瑠花「キャッ！」

俺たちはギリギリのところで避けたのだった。

『···············ほう、人間のくせに今のを避けるか····················褒めてやろう···············だが、次は無いと思え』

猫の化け物は図体の割にはものすごく早く、ただの人間の俺達には避けるので精一杯だったのだった。

玲於「···············チッ、もう一度、コイツを封印するか」

そして俺はポケットから札を出し、呪文を唱えたのだった。

玲於「神よ我に力を貸したまえ····················ハッ！」

『ッ！なんだと！？貴様··········一体··········』

玲於「ま、マジかよ···············今ので封印できないなんて···············」

『もういい、死ね！！』

猫の化け物はそう言い再び俺に襲いかかっていたのだった。

瑠花「あ！！玲於！危ない！！」

玲於「え··········」

俺は死んだ···············そう思い、目をつぶった。

だが少したっても痛みはなく、俺はゆっくりと目を開け、前を見たのだった。

玲於「な、なんだよ！これ！」

俺の目の前には2匹の猫がいた。

目の前の猫の化け物とは違い、この2匹は人型だった。

その2匹の猫は俺のことを守っているように見えた。

『な、何が起きている！なぜ、右猫と左猫がここにいる！！』

右猫『······························』

左猫『······························』

『····················そうか、そうだったな、お前ら2匹は元はただの猫だったな、それが何らかの理由で神化する。それがお前ら、擬似神。だが擬似神は、神より強くなる場合がある···············そして、そのせいでお前らは喋ることが出来ない』

森羅「アイツ············何をひとりで···············」

知帆「今のうちに逃げましょう！」

森羅「そうだな···············行くぞ！」

玲於「待て」

瑠花「え、逃げないの？」

玲於「もしかしたら、俺らは何か···············大きな勘違いしているかもしれない」

森羅「は？勘違いってなんだよ···············」

玲於「もしかしたらだが、ここに封印されていたやつは、あの猫の化け物じゃないかもしれないんだ···············」

森羅「は？だから、何言って····················」

玲於「そもそも封印されていたなら、封印を解いた俺たちをあんなに憎むはずがない、例えば俺らを殺したいとしても、それは憎しみでは無い。だが、明らかにあの猫の化け物が俺らに対してむけているのは···············『憎悪』そのものだ」

知帆「え··········ま、まさか···············そんな···············なら私たちが壊してしまったのって····················」

『やっと気がついたか···············人間共』

森羅「そうか！！だからヤツは、ずっと怒っていたのか」

『お前たちはとんでもない奴らを封印から解いたんだ。責任を取れ』

玲於「···············わかった」

『···············ほう？人間にしては物分りがいいな、で？どういうふうに責任を取る？』

玲於「俺が責任もってここから出たやつをもう一度、封印をする···············それでどうだ？」

『·························良かろう』