ショートショート 時計に支配された男

@kokoroyomi

第1話

ある所に時間に忠実な男がいた

男は目が覚め、天井にある時計を見た。時間は6時。本来ならまだ寝ている時間だ。男は眠った。


ピピピピ


いつも聞いている五月蝿い目覚ましの音だ。目覚ましを止め、天井の時計を見ると7時。男は起き上がり二つの時計を見て、「よし」と言い洗面所へ向かった


蛇口をひねり水を出す。顔を洗い、歯を磨く


ピピピピ


先ほどよりも少し小さな音。男は止めた。


ご飯を作る。止める。ご飯を食べる。止める。食器を洗う。止める。準備をする。止める。仕事に出かける。止める


会社に着くと男は、止めた


事件は起こった


男は目が覚めた。時間は6時半。 男は眠った。また目が覚めると天井には、 6時半と書かれた時計。男は何も疑問に思わず、眠った。


3日経っても、時計は6時半。男は永遠に眠った。 時計は全て壊れていた。同じ日、同じ時間、同じ商品を買った為だ


男は7時に亡くなった。男は時間を守れなかった

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