かぐや姫と五人のフォロワー
おてんば松尾
第1話
今は昔、って時代じゃなくて今は現代。
何がどうなってんだか分からないけど、どういうわけか令和の日本に落ちてきた。転生したっていうならそうなんだろう。けれど赤ちゃんとして生まれたんじゃなくて『大人ぁ!』いくつなんだか知らないけど、大人の姿で転生したなら、これはちょっと困ったもんだ。
でも……月の世界で死んだんだよね私。
以前は赤ん坊で竹の中から出てきたわけで、
気がついたらここにいた。
今持っている物は『天の羽衣』と『不死の薬』これを使ってなんとか生き延びなきゃいけない。
この『天の羽衣』は心が正反対に変わるという効力がある。そしてこれは困った事に、使い方によっては善人が悪人になったり、生きようと思っている人が死のうと考えたりする場合がある。だからあんまり使えない。
一度使えばその効果は数ヶ月だから、まぁ性格を一生変えるとかはできないんだれどね。
全てのケースで、悪が善になるんならいいけど、その逆バージョンに作用すると大変だ。
『不死の薬』の方はまぁ、死なないわけではないけれど、病人を元気にするくらいの効果はある。
ただ、人には寿命ってもんがあるから、その時が来たら死ぬのが定め。
死なずに生き続ける事が良いわけではない。
そんな事を考えながら足は遠くに見える山の方へ向かっていた。
何故か服装はこの時代の人が着ている同じような衣装だけど、いかんせん今は冬だから外にいると凍え死にそう。
死んだら死んだでまた新しく人生始まるならそれもありかもしれない。
けれど誰かに助けてもらいたい。いくらなんでも寒すぎる。
もし正直にこの辺にいる知らない人に事情を話したら、まず『気の触れた人認定』間違いなしだ。
そうなると本当のことは言えない。
そもそも自分が何でこういう事になっているのかわかんないんだからしょうがない。
先ほどから路頭に迷ってしまっているこの美少女。
そう、彼女の前世は『かぐや姫』だった。
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