第4話 落下阻止
≪この小説はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。≫
新型イージス護衛艦のCIC(戦闘指揮所)では、慌ただしく、地上に落下してくる宇宙ステーションに対する、破壊任務の対応に追われていた。
しかし、落下してくる宇宙ステーションを射程圏内に捉えることが出来たのは、新型イージス艦1隻と、随伴で試作50mm径レールガンの実装試験を実施していた試験護衛艦1隻の、わずか2隻のみでした。
「戦術データリンクにより、大気圏に再突入した宇宙ステーション、捕捉しました、目標に登録、追尾します」
「よし、そのまま追尾を続けろ」
「あと10秒ほどで、長距離迎撃ミサイルの射程距離圏内に入ります、ロックオンしますか」
「射程圏内に入り次第ロックオン、長距離迎撃ミサイル4発全て発射する」
「ロックオン完了、4発順次発射します」
「落下接近中の宇宙ステーション、大気圏への再突入時の高熱で崩壊、複数に分離した模様」
「長距離迎撃ミサイル目標に命中、しかし全ては破壊できていません、分離したうちの2つが未だ落下中」
「わかった、後は試作レールガン搭載の試験護衛艦に任せよう」
一方、同時刻の試験護衛艦のCIC(戦闘指揮所)では、試作50mm径レールガン(目標とする有効射程距離200km超)の発射準備を完了しようとしていた。
「レールガンの弾帯に残っている残弾数と弾種を報告してくれ」
「残弾数30、全て通常の超高速徹甲弾であります」
「了解した、近接信管タイプの超高速榴弾が残っていないのは残念だが、こればかりは仕方がない、最終発射準備にかかってくれ」
「落下中の宇宙ステーション、新型イージス艦の射程圏内に入ります、長距離迎撃ミサイル発射されました」
「長距離迎撃ミサイル目標に命中、まだ燃え尽きず落下してくる物体2あり」
「本艦レーダーでも落下してくる物体を捕捉しました、射程圏内に入ります」
「レールガン自動追尾開始、電力チャージ100%完了、何時でも発射できます」
「レールガン打ち方始め、砲身が壊れても構わん、全弾打ち尽くせ」
レールガンは30発全弾打ち尽くし、燃え尽きずに落下してくる宇宙ステーションの大きな破片のうち1つを、かろうじて破壊したのです。
残念ながら残り1つの破片だけは、最後まで破壊できず、上空でも燃え尽きることなく、ついに地表まで到達してしまいました。
※実際のイージス艦の作戦状況なんてリアルで観たこともないし、兵器類も適当設定なので、申し訳ないですが、おかしいと思ってもグッと我慢してくださいね。
リアルでは、自衛隊が試作40mm径レールガンの試験護衛艦による洋上試験で、連続発射試験までは成功しているそうですよ。
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