第31話「黒い太陽」
「………あくまで、我らを拒むか。」
悪神はゆらりと立ち上がる。
「当たり前だ。ハリボテの理想を掲げて王様ごっこをやりたいなら、他所でやれ。」
「………ならば、よい。力で黙らせるのみ。」
悪神の気配が更に膨れ上がる。
思い通りに行かなければ力尽くとは、神とは本当に質が悪い。
ヤツの力に呼応するように、玉座の間の下に広がる負の念が湧き上がり、一つ一つが小さな隕石の様な塊になっていく。
フェンリルとアリスがお互いを守り合うように、ニーザが迎撃の体勢に、フレスがシギュンを守る為に前に立つ。
風の魔眼、フレスの力を召喚して来るであろう災厄に備える。
「追現―――――――、」
「共鳴開始………、」
斬撃の風とベルゼブブの忌々しい羽音が混ざり、溶け合い……、ベルゼブブを1の世界にある本体を求める様にわざと暴走させる。
「千輝の礫。」
「斬響・狂牙!」
流星の様に降り注ぐ千の暗塊と風と振動混ざりあったの牙が衝突し、潰し合う。
風の牙が悪神の放った礫を喰い潰すが、俺の技だけで1000ともなると、自分達を守るだけならともかく、全員は無理だ。
「ニーザ、任せた!」
破壊の牙を迎撃から悪神に向け、捌ききれない分をニーザが破砕連装で手当たり次第打ち砕いていく。
だが、悪神はそれを嘲笑う様に、再び負の念を展開した。
「追現――――――、」
悪神の言葉に追従するように、負の念は遥か上空で巨大な塊を生み出した。
それはまるで、黒い太陽と呼べるような威圧感を放っている。
「アリス、ニーザ、防ぐぞ!」
「はい!」
ニーザが水の魔法を
「
無機質な声と共に、黒い太陽から玉座の間ごと俺達を焼き払わんと闇の焔が吐き出される。
ニーザがタイダルウェイブを破砕連装から大量展開してその勢いを殺し、アリスとフェンリルが減衰したそれを
辺りが水蒸気に包まれ、全員の姿が消えていく中、俺はここに来る前……、城での会話を思い出した。
(ロキの言う通りになったか………)
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