[供養]先の先のずっと先のお話し

探究者

結末はどうぞご想像ください

「人の進化の先、遥か遠く終わりの日。様々な災厄を乗り越え生き延び勢力を拡大した結末、って所かな?」


「......どうぞ」


カランとグラスを手渡される。


「はい、ありがとう。ヒューマノイド、人工知能、拡張現実や電磁力学的重力操作に認知操作。要するにこれ等はヒトが欲して作られた物だ」


「......」キュッキュッ


「私は不幸を無くす為に、個々人へ自動的に個人専用の仮想世界を作られる装置を作った。勿論そこだけで完結しなくても戻って来れたり共有の仮想世界なんかも有った」


「...大きな話題になりましたね」


「そう、最初は懐疑的な声もあったがある種の社会システムへ組み込まれて行った。愛されたいのならば愛される世界へ、愛されない自分に酔う人は愛されない世界へ。物は使い様だね」


「......」


「目的ある人々は力強く進み、目的無き人々は衰退して行った。これでも自分の身体を改造して数万年生きてるからね、それ位は分かってたさ」


続けざまに、吐き捨てる様に言う。


「私は期待し過ぎたのだろうか?」


「......?」


「ヒトの欲に際限は無い、と思っていたんだがな......今朝、仮想世界を維持してる施設が停止した」


「......」


「要するに、使う人が居なくなって必要無くなったって事」

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[供養]先の先のずっと先のお話し 探究者 @cca-tankyusya

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