呪いの魔女の首輪をはめたせいで美少女になった国家魔法士の話
ゆうらいと
第1話 自己紹介のようなもの
俺の元には多くの悩みを持ったものが訪れる。この地域唯一の公認国家魔法士だ。高校生では日本に一人とも言っていい。
本日も迷える子羊が、私の部屋の扉をノックする。
戸を開くと、頬を紅潮させた背の高い少年が立っていた。
「黒木さん、好きです!」
と言いながらラブレターを渡される。
俺は無言で指を弾く。
ピンク色の薄い紙は宙を舞うと、情けない顔をした少年の目の前で突如燃え上がった。
「そ、そんな!」
灰と化したレターを手で掴もうとする少年に、冷たい目で睨みつける。
「何度言わせる!俺は男なんだよ!」
俺は精一杯の怒号を上げながら、少年の首元をねじり上げようとするが、
悲しくも、大して力が入らない。
魔法でも使わないと非力な体だ。
「呪いのせいでこんな格好になってるといっているだろーが!」
「でも」
少年は声を震わせながらも、堂々と言い放った。
「あなたが男でも女でもいい!あなたの見てくれが好きなんです!」
俺は無言で少年を窓から外へと放り投げた。
肩で息をしながら、部屋にある姿見鏡に映る自分の姿を見やる。
長くて細い髪、華奢な体、出るところは出ている女性らしい体に、白くてつやっとした肌。
我ながら、美しい姿だと思うが、感じるのは苦々しさだけだ。
なぜならば、この俺、黒木れいは、この憎き呪いの魔女の首輪をはめたせいで女になった正真正銘の男だからだ。
首輪の切断は試したができず、
首の切断はもちろん、できず。
とにかく呪いを払う方法を探しているのだ。
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