『ギシカノ』Extra part(番外編) ver.

ますぱにーず/新作執筆中!

Extra part.001 -とある日の朝-

「…ん」

 午前5時、ふと目が覚める。目が覚めて眠れなくなったのでリビングに向かう。

「…おはよう、母さん」

「おはよう、彼方。今日は随分と早いわね」

「まぁ、なんか目が覚めて。…というか、朝から飲酒するの止めない?」

 既に350mlの空き缶がを1本、ダイニングテーブルの上に置かれていた。…まじで早朝から何やってんだ僕の母親は。

「まあ良いじゃない、折角の休暇なんだから楽しまなくちゃ」

「休暇に朝から飲酒する肉親を見たくないよ僕は」

「まぁまぁ、良いじゃない」

 …大丈夫かなぁ。

「あ、彼方、おつまみ作って」

「…………はぁ…。出汁巻きいつもので良い?」

「彼方の作るのなら何でも」

「それが1番困るんだって」

 そう言いながら、台所へと向かい冷蔵庫から卵と白出汁を取り出す。

「…早朝から息子におつまみを作らせる母親ってどうなのさ」

「なんだかんだ言って彼方が作ってくれるのも悪いっちゃ悪いけどね?」

 いや、まあ、母さん仕事で疲れてるし。

「彼方って、ちょっとツンデレみたいよね」

「…そんなこと」

「嫌々言いながらも作ってくれてるじゃない?」

「…まあそうだけど」

 なんかそう言われると…なんだかなぁ…。

「ん、良い匂いしてきた」

「もうちょっとで出来るから」

「はいは~い」

 そう言いながら、母さんはまた缶を開ける。

 カシュッ、っと、炭酸の音がして、母さんは缶を傾けてお酒を口に流し込む。

「ぷは~」

「………ほんと、何してんだろ」

 まあ、なんだかんだ言って悪い気はしないけど。


――――――――

作者's つぶやき:これが瀬戸家のとある朝の風景です。

水香さんも彼方くんもいつも通り平常運転ですね。

――――――――

よろしければ、応援のハートマークと応援コメントをポチッと、よろしくお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る