さよなら、従順なる僕たる者どもよ。
日朝 柳
選ばれた者
私立御園原高等専門学校。
「知力、体力、精神力。その他あらゆる能力を最大限に引き伸ばし、この国を新たに切り開く人材を育成することを誓います」
そう謳い文句を綴った学校ができたの。世間からの目は冷たく、そんな学園に子供たちを入れようとする親など存在するはずもない。
だけどね、世の中には物好きもいる。
お金の有り余った親のもとに生まれたいくらかの子供たちは、好奇心なんていう適当な理由で自分の行きたい学校を選べるんだよ。だから、そんな彼らは被検体であって先駆者だった。
六年後、無知な子供たちはどんなふうに変わったのか。世間の目を見た方が良いね。
圧倒的なカリスマ性、秀でた知能、鍛え抜かれたアスリート力。どの分野にしてもこの学校から輩出された人たちは、日本の最前線を走るようになったんだよ。
そして話はとんとん拍子に事は進んでいく。国からの援助、広大な土地の貸与、関連施設の建設。
順調に発展していった10年という節目の年に、この学園は生まれ変わった。
「我々は世界にも羽ばたくことのできる人材を育成するために、さらに生徒に根差した教育を進めていきます」
こうして、国立御園原学園へと名前を変えて国内一の高等学校として新設されたとさ。
めでたしめでたし。
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