第17話『第5層』


 学校帰り。

 そのまま、直接、横浜巨大迷宮ヨコハマジャイアントダンジョンに行く。


 このダンジョンの最前組の最高記録は。49層。

 49層まで踏破とうはできている。

 だが、50層のエリアボスが倒せていないらしい。


 俺達は弱い装備でなく、俺の中で一番の装備で挑む。現時点で俺は第5層のエリアボスまでしか踏破できていない。


 第5層ではスライム、ツノウサギ、レッサーエント、ゴブリンが出現しゅつげんする。セイラはあいかわらず、強かった。単体では剣で倒し、3体以上だと、ホーリーレインの全体攻撃で倒す。セイラのレベルが上がると、ホーリーレインの威力いりょくも強くなる。

 


 俺達は第5層のボス部屋に辿たどく。

 そこは、俺がまだクリアできていない、ボスである。

 ウルフ4体。レッドウルフ×1である。


「《身体強化Ⅲ》《攻撃魔法・物理攻撃上昇Ⅲ》《魔法物理防御・物理防御力上昇Ⅲ》――」

 セイラは俺とウネちゃんに大量のバフをかけていく。


「セイラは3体のウルフを、ウネちゃんは1体を。俺はレッドウルフを相手する」


「「了解りょうかい!!」」




「《スイダン(水弾Ⅱ)》」


 一発の水弾がレッドウルフに命中。レッドウルフは倒れた。


 うん、水弾Ⅱも威力が上がっている。


 水弾Ⅱはウネちゃんの魔術だ。ウネちゃんと魔導契約しているので使える。


 それにレッドウルフは火属性だ。水が弱点である。


 レッドウルフは立ち上がり、こっちに向かって走る。


「《ヒョウダン(氷弾Ⅱ)》」


 3発の氷弾を放ち、レッドウルフに2発、命中。


 レッドウルフは倒れる。だが、立ち上がって、こちらに向かう。


 さすがは、エリアボス。強いな。


「《ウォーターストーム(水嵐Ⅱ)》」


 膨大な水が渦を巻き、レッドウルフを襲う。


「クオオオン!!」


 レッドウルフはまるで、洗濯機に放り込まれたかのようだ。ぐるぐる、ぐるぐる洗い流される。


 嵐が去ると、洗浄されてしまった、レッドウルフはボロ雑巾のようになり。


「《アイスランス(氷の槍Ⅱ)》」


 アイスランスを放ち、レッドウルフに命中めいちゅう。レッドウルフは倒れ、光の粒子となった。


 アイテムがドロップされる。ドロップしたアイテムは自動的に『スマグリ』に転送てんそうされる。


「ウネちゃんの魔術でも、十分、通用するな」


 試しに、ウネちゃんだけの魔術を使ってみたが、威力は上がっていたので、普通に強かった。


 二人の方を見る。


 セイラはすでに3体のウルフを倒し、ウネちゃんの補助ほじょに回っていた。


「《アイスランス(氷の槍Ⅱ)》」


 ウネちゃんが放った、ウルフに命中。


 ウルフは倒れ、光の粒子りょうしとなった。


俺はウネちゃん達の所に行った。

「ウネちゃん、やるじゃないか!」


「えへん! これくらい余裕よ!」

 ウネちゃんは、杖をクルリと回し、ポーズを取る。


「ウネ先輩、カッコイイです!」

「セイラも、なかなかやるじゃない!」

 ウネちゃんは、いつものようにセイラを上から目線でセイラを褒める。


「それほどでもないです」

 セイラは謙遜けんそんし、お辞儀じぎする。

 セイラはあいかわらず、礼儀正れいぎただしいな。


 てか、セイラはウルフを3体、単独たんどくで倒してるんだぞ?

 ウネちゃん、1体だ。セイラに上から目線、していいのか?

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