第16話『蛇闇間学の嫉妬』


「後、どこに行く?」

 花輪囲かわいさんが言う。

 俺は思案しあんした後。ポンと手の平を叩き。

「そうだな。ジムなんてどうかな?」

「あの、そこは体をきたえる場所ですか?」

 セイラが言う。

「そうだよ。体を鍛えて。体力や攻撃力とか、上げたりできるんだ」

「それは、素晴すばらしいです! ぜひ、行ってみたいです!」

 彼女は目をキラキラさせる。

「決まりだな! 行ってみよう!」

 俺達はジムに向かう。


 それは巨大な建物である。

 中に入ると、広いロビーが。

 受付にいるのは素敵すてきなおじょうさんが3人ほどいた。

 いかにもスポーツができそうな体格である。

「この子に見学させたいんですけど」

「いいですよ」

 そして、お嬢さんの案内で、いろんな場所を案内してくれた。


 マシン部屋。

 体を鍛えるランニングマシン、自転車型マシンなどの機械から、たくさんのダンベル、バランスボールなどなど、たくさんの器具きぐなどがあった。


 フィットネス部屋。

 ヨガや太極拳、エアロビやヒップホップダンスなどができる場所。


 プール部屋。

 25メートルプールが7つ以上もあった。

 シャワー、お風呂、サウナ部屋。


 一通り、ジムを回った。


「どうだ? セイラ」

「素晴らしいです! 毎日、通いたいです!」

「そうか、毎日か……」


 毎日コースは確か、月15000円だ。

 この前の働きぶりからすると、出せる金額だ。


「わたしも、実は週3で通ってるわ」

 花輪囲さんが答える。


「そうなんですか?」

「うん、ギルドで推奨すいしょうされているから」

「あの、有名な『青薔薇騎士団あおばらきしだん』ですよね?」


『青薔薇騎士団』それは、国内屈指にほんくっしの最強ギルドで。ギルドランクはS級である。


「そうなの。私が一番、弱い団員なんだけどね……」

 彼女は苦笑する。


 確か、彼女はB級冒険者だ。

 高校1年生でB級冒険者ってすごい事だ。

 B級冒険者は日本では中堅レベルだ。大人だってB級になれない冒険者なんて、いくらでもいる。その中でのB級というのは、自慢してもいいレベルだ。

 俺は、まだD級冒険者だし。うう、俺はまだまだ、だな。




《視点 蛇闇間学》


 オレ、蛇闇間学じゃぐらま まなぶはいつものように彼女を見守っていた。


 花輪囲優美かわい ゆみちゃんは見ず知らずの女性2人を助けに来た。

 さすがは優美ちゃんだ、心優しい。

 いつも困っている人がいると見捨てず、助けに行く。

 まさに、正義のヒロインだ。

 カッコイイ!!

 そして、オレいつものように、影ながら助ける。そう、魔法でやつらをコテンパにするのが、オレの役割だった。

 彼女は言葉でクソ野郎共やろうどもをいなし、無事解決。

 さすがは、オレのヒロインだ!

 彼女は強い、剣も魔法も使わずクソ野郎共を、けちらすとは。

 だから、彼女を愛してやまないのだ。

 だが、どこからともなく、八雲空音があらわれた。

 あろうことか、八雲は彼女と一緒に『キャラトピア』を回るではないか。


「(クソクソクソクソクソクソクソオオオオオオオッッツ――――――!!!)」


 八雲空音やぐも そらね

 絶対に、お前をゆるさない!!!

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