第13話『キャラトピアへ行こう! パート1』



 次の日、日曜日。

 今日も横浜巨大迷宮ヨコハマジャイアントダンジョンもぐろうと思っていたのだが、セイラに他の大事な場所を紹介した方がいいと判断し、予定を変更。『キャラトピア』に行く事にした。



「『キャラトピア』というアプリがあってね。そこにログインして中に入ると、キャラ達やプライヤーが自由に遊んだり、冒険したりできるんだ」


「そんな所があるんですね」

 セイラは正座せいざし、メモ帳にペンを走らせる。



「そう、たくさんのお店や冒険者ギルド、病院や学校とか、いろいろあるんだー」

 

 ウネちゃんも説明に加わる。


「ゲームなんですか?」


「そうだね。ゲームなんだけど、仮想現実かそうげんじつある『キャラトピア』で訓練くんれんとか、魔物を倒したりすると、現実世界でもレベルやステータス、プレイヤーランクに反映はんえいされて、強くなれるんだ」


「では、仮想現実かそうげんじつは本物の世界でもあるという事ですか?」


「どういう原理なのかは、ゲームの制作者に聞いてみないとわからないけど、現実の肉体と仮想現実かそうげんじつの肉体にシルバーコードというモノでつなげる事によって。そういう事が可能らしい。シルバーコードは普通の肉眼では見えないコードだ」


「なるほど」


「仮に仮想現実で攻撃を受けたり、うっかり魔物に殺されても。現実世界の肉体は死なないし、無傷だ。だから、思いっきり魔物と戦う事ができる。それに、何か問題があれば、シルバーコードを抜け、強制的にログアウトするようになっている」


「素晴らしいですね! 死亡リスクがなくなり、格上の魔物と戦えます! そうなれば、レベル上げも格段にしやすくなりますし、レアなアイテムを入手しやすい!」


「その通りだよ。だから、わざわざ現実世界の迷宮(だんじょん)に潜らず、『キャラトピア』で冒険し、レベル上げやレアなアイテムをゲットする、ゲーム一筋のプレイヤーは、結構、多い」


「そうなんですね」


「だからといって、現実世界の迷宮だんじょんに何のメリットがないわけじゃない」


「そうだよー! たくさんの霊宝石れいほうせきや『キャラトピア』では入手できないアイテム、武器、装備、いろんなモノが手に入るのー!」


「命をかけるだけの価値あるモノが現実の迷宮に、たくさんあるんだ!」

 俺が所持している特殊な腕輪もその一つである、この特殊な腕輪は幸運が爆上げする超レアアイテム。横浜巨大迷宮で手に入れたのである。それと、莫大ばくだいな霊宝石が手に入ったのも現実世界の迷宮ダンジョンのおかげた。


「そっそく、行こうよ! 『キャラトピア』へ!」

ウネちゃんは、紹介したくて、しょうがない様子だ。


「そうだな」

俺はうなずく。


「はい! ぜひ、行かさせてください!」

セイラも行く気まんまんだ。



「肉体のダイレクトダイブは禁止されていて。プレイヤーはアバター(仮の肉体)を通して、操作する。キャラに関してはダイレクトダイブしてもいいんだ。てか、ほとんどのキャラ達はダイレクトダイブなんだけどね。よし、まあ、実際に行ってみよう!」


『パソコン型グリモワール』を操作。


「じゃあ、先に『キャラトピア』にダイブしてくれ。『始まりの町』にある大きな銅像の前で待っていてくれ」

「わかったー!」

「かしこまいりました!」

 

 ウネちゃんとセイラを『パソグリ』に転送。『キャラトピア』に送り込む。

 

 俺はVRゴーグルを頭に装着そうちゃく

 

 起動きどうボタンを押す。


『キャラトピア』←


《キャラトピアへダイブしますか?》


【はい】【いいえ】


「はい!」


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