僕の恋と君の花

白雪れもん

第1話僕の恋

僕の名前は「斎藤圭介」ごく普通の学生。

休み時間はトイレで過ごし、会話なんて家でもあまりしない。

好きな物はVTuberやアニメとオタク。

好かれる要素が1つもないゴミみたいな人間。

でも、こんな僕を愛してくれた素敵な人がいた。

その彼女の名前を「佐藤紗枝」。アニメやVTuberの話題で話しが合い、意気投合して、段々距離が縮まっていき、お付き合いさせてもらった。

そんな僕は、いじめにあっているんだ。

毎朝毎朝下駄箱にはゴミか画鋲、靴の中には虫が入ってるなんて日常茶飯事。

なんでかって?僕は昔から体が弱くて、はだが白い、そして人と話すのが苦手で髪を切りに行けずに、前髪は鼻まで伸びている。

そして声が細く、女みたいで気持ち悪い、話しかけないで、女になりたいの?頭おかしいよ、とか、悪口なんてもう全部自分に言われている。

僕はもう慣れているから大丈夫。そう自分に言い聞かせて今日も涙を流しながら靴を洗う。

「また靴に牛乳?まじで腹立つねアイツら!」

明るく声をかけてくれたのは紗枝だ。紗枝は俺に話しかけるなんて勿体ないくらい美貌で声が可愛く、キラキラとした雰囲気を漂わせ、運動も勉強も出来る文武両道の化身。

そんな彼女が僕と付き合っていると周りが知ったら、彼女にいじめの被害が来てしまうかもしれない。

「真面目に音読してください、ふざけてるんですか?」

あぁ、まただ、地声のはずなのに、全力で声を出しているのに細くて高いせいか届いていない。

「声が高いだけで偏見をくらう世の中、それでも乗り越えで頑張って声を出している。それって偉くない?めっちゃ偉いよ!」

紗枝はそう声をかけてくれるけど、自分はそうは思わない、もっと腹から声を出してくれれば、もっと低い声で生まれていれば、そもそも生まれてなければ。

そんなことを考える毎日が楽しくない、でも放課後は紗枝と通話しながらゲームや配信を見る。

最近はカップルVTuberと言って高い声を利用して配信者としても1万人の登録者を超えた。

それ以外楽しくない。

正直いって学校なんか行かなくていい、家で勉強して期末テストもクラスでは上位だし、運動は出来ないけど内申点は頑張って上げているんだ。

でもその時、


=1か月前=


「お前ごときのクソ陰キャが、学校でもまともに授業受けずにトイレに引きこもって、なんで期末テスト上位なんだよ!」

「カンニングでもしてんの?あ、もしかして不正!?お金で釣ったりしてんの?!」

「うーわ!気持ち悪!わざわざトイレに籠るくらいなら家でゴロゴロして顔を見せんなよ、、、何とか言えよ!!!オイ!」

その男は机の角を強く蹴り、座っていた自分の腹に強く当たった。

正直痛かった。怖かった。

「いや、、、家でも、、、勉強して、、、て」

俺は勇気を出して声を出した。ちなみに、一人称が俺なのは心の中だけで、普段は僕なんだ。

「うわ!?話かけてきた!めっちゃ気持ち悪い声をわざわざ聞かせてきた!」

そっちがなんか言えよって言ったんだろうが、紗枝が文武両道の化身ならお前らは理不尽の化身だよ。

「あー、気分悪くなった、みんな、こいつに近づかないの方がいいぜ、耳が呪われる。」

何ってんだこいつら、相変らす意味が分からない。でも、こいつらが言うことに紗枝以外が全員同意するという理不尽な世の中だ。

「ねぇ、なんで学校行くの?嫌な気分なら転校もいいし、私が付き添いで髪切ったりしたら、もっといい男の子になれるよ!確かに、声は女の子みたいな可愛い声してるけど、それを認めてくれる人だって世の中にはたっくさんいるよ!勇気出して!」

紗枝は声をかけてくれる。でも、僕はこんな可愛い子と話してていいのか、そんなことを考えている内に30秒ほど経過した。

「無理にそいつなんかに話さなくていいよー、クソ陰キャの圭介くんに。」

「うわ!名前呼んでもらっちゃって!1000年に1回の奇跡よ!」

「ほら、行くよ!」「あ、ちょっと!」

あ、いなくなっちゃった。

「おい、折角話しかけて貰ってんのにガン無視はねぇだろ。話しかけてくれるなんて俺にだって単体の話しかけはほぼゼロなんだぜ?もっと感謝しろよ!!!!バカなの?!!」

「来いよ、教えてやる。」

俺はそのままトイレの窓に頭を無理やり突っ込まされて、上から筋トレ用のダンベルを落とされた。

「うぇーい!擬似ギロチン!」

何っ言ってんだよ、おかしいだろ。

そのままこいつらは「精神的にも苦しませたいな」と、言い捨てて、トイレに頭を突っ込まされた。

汚い、汚い、やめてやめてやめて、苦しい苦しい苦しい。

「あ、お前の彼女?紗枝さん?まだ信じてないけど紗枝さんがそう言ったからそんなんだろうな。」

「この動画みてみろよ。」

そのこいつらが見せてきたスマホの画面には無理やり服を破かれ、涙を流した顔の顎に手をやり、その苦しんだ顔を楽しみながら写真を撮っている。

クソ共が、やめろよ、本当にやめてくれよ。

その後のことは、考えたくない。

「ねぇ、圭介、今月さ、生理来ないんだよね、」「え?」「どういうことか分かる?なんで助けてくれなかったの?!放課後に通話に来なかったの、不自然だと思わなかった!?最低!!別れましょ、顔も見たくない、さようなら」

こう、一方的にふられたのは、動画を見せられた1か月後の、8月に入った夏休みの暑い頃だった。

僕は、完璧に生きる希望をなくした。

もう、何もいらない、全て捨てよう。

僕は徐ろにホームセンターに行き、荒くて太い縄と、小さな台を買った。

店員さんは不審そうな顔をしていたが話すのが苦手な俺は、いや、僕は速攻で買って帰ってきた。

深夜0時ちょうど。ブランコに吊り下げた縄に首をかけた。


最後に紗枝のこの言葉が聞きたい。

それは、彼女もいじめられていたが、何とか乗り越えた時の出会って直ぐに言われた話だ。


「たった一つの行動だけで、虐められる世の中、でも、その辛さを乗り越えて足を明日に向けて踏み出してる。それって素敵な事じゃない?こんな私でも生きていいんだって。」


そうだ、この辛さを乗り越えて行かないと成長しない。

僕は片手に持っていたカッターを使い、自分の首の皮と一緒に縄を無理やり切った。

「絶対に許さない!あの、ゴミ共は!」


そうしてぼくの、復讐のための準備が始まった。

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