春雷

能魅

春雷

見ずに行く梅も桜も泣くなかれ


咲いた花の香に夢みし

盛者必衰の都へ行った

貴方の美しい文たちは

墨も乾いて滲みました


あの鯉のように私の恋は

まっすぐ泳いで昇りつめ

貴方といつぞや喋む記憶

世間話ばかり出てきます


私の恋は錦を知らぬまま

気づかぬふりして待っている


笑われたって嘆かれたって

嘘がつけないものですから

こうして今日の暦をちぎり

君帰りし日を数えてみます


春雷鳴く恋の道




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春雷 能魅 @noumi6

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