第37話:麻美子ちゃんの友達。

麻美子ちゃんと別れるかもしれないって危機が3回ほどありました。

1度目は麻美子ちゃんの友達に僕が誘惑された時です。



夕方、彼女ちゃんから連絡が入って今、スナックにいるんだけど・・・。


なんでも 彼女ちゃんの友達「同級生」が彼氏にフラれたとかで、


「今その子と一緒にいるんだけど、めちゃ落ち込んでるからとっても心配

なんだけど、私門限があるから帰らなくちゃいけないの」


「で、ごめんだけどスナックまで来て、その子、家まで送ってあげてほしいの」


大事な彼女ちゃんの頼みだから断るわけにもいかないでしょ。


で、僕は指定されたスナックまで行ったわけです。

店の中に入るとカウンターの端っこに座ってる彼女ちゃんと、その友達の

子を発見。


彼女ちゃんは僕に「ごめんね」って言葉を残しタクシーで帰って行きました。

残った僕と彼女ちゃんの友達のその子。


その子に家まで送って行くからって言うと、帰りたくないってわがままな

ことを言うんだな。

住所を教えてくれないと送っていけないですよね。

このまま埠頭まで行って、って言われて、しかたないのでフェリー埠頭まで

車を走らせて岸壁横に車を止めたんです。


まあしばらくそこで休憩したら住所を教えてくれるだろうと思って待ってた

んです。


そしたら・・・いきなり


「抱いて」って。


聞き捨てならん言葉を・・・一瞬、空耳かと思いました。


そしたら、さらに「ホテルに連れてって」って言われて・・・。


僕の彼女ちゃんの友達ですよ・・・自分の友達の彼氏ですよ、僕は。

友達の彼氏、誘惑するのか?

それで友達って言える?・・・彼女ちゃんを裏切るのか?、それ間違ってるだろ。


とうぜん、僕は「僕には彼女がいるからそういうことはできない」って

断りましたよ。


もし誘いに乗ってホテルに行っちゃったら、それが彼女ちゃんに、もし

バレたら、アウトでしょ。

いや、バレるバレないっていう前に恋人がいるのに、そんな誘いに乗っやっちゃ

いけないでしょ。


送って行くからって言って家の場所を無理やり聞き出して彼女ちゃんの友達

を家まで送っていきましたよ。


それは、僕の鉄壁の不動心でなにごともなく終わったんですけど、

でもそのことを彼女ちゃんに黙っておく訳にはいかないと思って、次の朝、

彼女ちゃんに連絡して、実はこういうことがあったんだよって話したら

それを聞いた彼女ちゃん、動揺したあとスネちゃってね。


「もういい、何も考えたくないから」って言われて電話切られました。


ありゃりゃ・・・言わないほうがよかったかなって思ったけど黙っては

見過ごせなかったからね。

傷口が広がらないうちに早めに塞いでおかないと的な・・・。


でまあ、次のデートに来てくれないかと思ったら、デート当日待ち合わせ

場所にいましたね、彼女ちゃん。


僕の電話を切ったあと、その友達に連絡して確かめたらしいです。

僕が友達の誘惑に負けて浮気してないかどうか。


そしたらその友達に言われたんですって。


「私の誘いに乗って来ないあんな珍しい男いるんだね」って。

「あんな貴重な彼氏、絶対放しちゃダメだよ」って言われたらしいです。


女の誘いに乗らない男って・・・乗らないのが普通でしょ。

君は、きっとクズ男としか付き合って来なかったからそう思うんだよ。


で彼女ちゃんはその友達のことが許せなくて結局絶交したようです。

で、このあとがまた大変でした。


つづく。


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