第15話:女子高生の彼女。
僕が麻美子ちゃんと出会ったのは、まだ彼女が女子高生現役の時
だったんだ。
僕はもう立派な社会人。
けっこうな歳の差・・・ジェネレーションギャップってやつ。
だから、女子高生はな〜って敬遠しようと思っただけど、ほらこの
チャンスを逃したらいつ彼女ができるか分からないじゃないか。
そう思ったんだな、僕は。
麻美子ちゃんが女子高生って知るまで僕は彼女はてっきり新卒の
正社員だと思ってたんだ。
季節は夏。
女子高生だと言った上で麻美子ちゃんをデートに誘う前のこと。
その日も暑かったので麻美子ちゃんは作業していた僕にアイスを
出してくれたんだな。
でもって彼女はこう言ったんのだ。
「◯◯さん・・・お元気で」
「はい?」
「夏休みが終わったら、私、ここ辞めますから・・・」
「夏休み?・・・夏休みって?・・・辞めるって?」
「私、バイトですから・・・」
「バイト?」
「そうですよ・・・夏休み期間中のね」
「うそ、僕はまた麻美子さんは高校卒業してどこかの会社に就職してて」
「なにかの事情でこの車屋さんに再就職したのかって思ってたんですけど」
「いや〜そう考えてたからバイトなんて思いつきもしなかったです」
「それに高校生のバイトって普通、ファーストフードとか食べ物屋さん
とかが多いって思ったから・・・」
先入観や思い込みってのは怖い。
「想像力が豊かですね・・・」
そうなんだ・・・麻美子ちゃんは女子高生だったんだ。
僕は少しショックで動揺した。
だって麻美子ちゃんがバイトを辞めたらもう彼女とは会えなくなるからね。
その時の僕は麻美子ちゃんのことは、まだなにも知らなかった。
僕がボ〜ッとしてると、麻美子ちゃんに指摘された。
「◯◯さん・・・アイス早く食べないと溶けちゃいますよ」
溶けてたけどね・・・。
で、付き合うようになったのはいいんだけど、とりあえず絶対反対される
であろう麻美子ちゃんの両親には内緒。
学校にバレてもそれはそれでやっかい。
まあ17歳だから問題はないんだけどそれでも手を出したら僕は淫行。
親や学校にバレたら、へたすると僕は青少年育成保護法違反って罪に問われ
かねないわけで・・・。
付き合うのは辞めたほうがいいんじゃないかって思った。
だけどね、ほらこのチャンスを逃したらいつ彼女ができるか分からない
じゃないか。
またもやそう思ったんだな、僕は。
僕はロリコンってほどじゃないけど、若い子は好きだったし・・・。
なもんで、デートはもっぱら車でもって県外ばかりだったわけで地元で
なんかデートしてるところを知り合いにでも見られたら、それもやっかい。
だから麻美子ちゃんが高校を卒業するまではけっこう大変だった。
女子高生を彼女に持つってのはそう言うことなのだ。
それに麻美子ちゃんは社会責任がないから、全部僕任せだったし・・・。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます