第14話:おニイちゃんにヤキモチ。

麻美子ちゃん「嫁」と付き合ってる時の話。


麻美子ちゃんは地元の男女共学の商業高校へ自転車で通っていたのだ。

で、それは下校時のことだった。

麻美子ちゃんは、よそ見してて自転車ごと土手から下の田んぼまで落ちた

んだって。

で、必死で自転車を押して土手の上まで這い上がったらしい。


まあ、土手は草で覆われてたから幸いにも怪我はなかったんだけど

「よかったよ怪我がなくて」

再び自転車に乗って帰ろうと思ったら自転車のチェーンが外れたらしい。


だけど麻美子ちゃんは女の子だから、そんなもの直せない。

困り果ててるところに颯爽と通りがかったイケメンのお兄さんが外れた

チェーンをちゃっちゃっと直してくれて、さっさと去って行ってしまった

んだって。


で、デートの日、車の助手席で、その出来事を嬉しそうに自慢そうに

僕に話す麻美子ちゃん。

若いおニイちゃんにチェーン直してもらったのが、そんなに嬉しいかね。


僕は少しだけ、そのおニイちゃんにヤキモチをやいた。

なんて心根の狭い男・・・そうじゃなくて、この場合はヤキモチ焼いたって

許されるよね。


って言うか、助けてもらったことより自転車ごと田んぼまで落ちたことの

ほうを優先すべき話だろ?


怪我がなかったのは僕って守護神が君についていたからだよ。


つづく。


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