第1話
バベル・・・突如として現れた塔、内部は階層ごとに様々な環境が変化しており様々な困難が待っている。また塔内部で死体を一定時間放置しているとバベルに食われる
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神が言った通り各国のトップは塔内部に何があるのか神から説明を受けておりエネルギー資源になる『魔石』の存在と様々な資源になりうるモンスターが生息していること塔を登るごとにそのモンスターが強くなり危険性などが増すなどを公表、塔を『バベル』と呼び、新たに法を制定し国々は表向き協力し合い塔を登る者『クライマー』を作り一つの職業としサポートした
渋谷スクランブル交差点はバベルがあるため交差点周辺を整地、クライマー専用サポート施設『ギルド』を設立しバベルの一般開放を始め多くの者がクライマーとなり塔を探索、神よりもらった『ジョブシステム』によりモンスターから得られる資源を加工する者などが出始めたことで経済が潤っていった
神と塔の登場『バベル事変』から30年、クライマーが当たり前になってきたある日・・・
バベル第55階層
「ふんっ!」
軽装の男が1人、佐伯征司は剣を振るいモンスターを倒していた。征司がなぜここに、しかも1人でいるのかそれは彼が男だからだ
『貞操逆転世界』そう、この世界は男女の貞操観念が逆転している。そんな中で征司がなぜバベルに登るのかそれは冒険がしたかったからである
征司は『転生者』なのだ
別に過労死やトラックに轢かれたわけもなく家族に恵まれ生を終えた、が1つだけ叶わぬ夢を持っていたそれは『冒険』がしたいのだ
ゲームみたいな現実では到底味わえない戦いがしてみたい、だがそんな願いは叶うわけがなく現実を見て生きた
だがどうだろう前世を終えたと思った瞬間目の前に映るのは母らしき女性、そう征司は新たな生を得たしかも記憶付きでそして征司は歓喜した。バベルという前世と違い冒険ができる土俵がある!諦めていた冒険ができる!と、しかしこの世界では貞操逆転世界だった
だがその程度、1オタクだった征司には許容範囲だった、てか逆転世界なんて戦いに比べればどうでもよく、征司が10歳になったある日現役クライマーである母にバベルに登りたいと言い許可を得て現在16歳高校に入学を機に世界的にも珍しい男性クライマーになっていた
「やっぱり、ソロじゃここまでか・・・」
征司はバベル第55階層を今、攻略しようとしているところだった。だが階層を重ねるごとにモンスターは強くなる。ソロで55階層を行けば十分化け物なんだが征司は満足できなかった
でも無理な冒険はしない、勇敢と無謀は違うのだ。
「さて、今日は帰るか・・・」
征司が帰ろうと転送石を砕こうとした時
「きゃぁぁぁぁぁぁ」
叫び声と共にこちらに女性が1人向かってきていたその後ろには
「ヘルハウンドか」
ヘルハウンドは黒い毛を生やし赤い瞳をしたライオンサイズの犬型モンスターで俊敏性はそこまで高くないが性格は獰猛、おまけに火を吐く
だが征司にとっては雑魚だ、征司は女性を助けるため剣を抜きヘルハウンドに向かい走る。
「横に飛べ!」
走りながら征司は女性に指示を飛ばす、突如聞こえた声に慌てて女性は横に飛ぶ。
征司は目の前に捉えたヘルハウンドを速度を顔面から剣を入れ左右に真っ二つにした
「大丈夫か?」
ヘルハウンドを倒した征司は襲われていた女性に声をかける。女性は黒の長髪で青い瞳、身長は160cmほどだろうか?服装は白いシャツに黒いズボン手に持っていたのは剣身が砕けたであろう片手剣を持っていた
「お、男!?あ、ありがとうございます」
女性は征司にお礼を言うがどこか上の空だった。
「俺が言えた義理ではないがその装備しかもソロでこの階層になんでいる?」
「それがその・・・転移トラップに引っかかって・・・」
「転移トラップ・・・また珍しく厄介なものに・・・」
『転移トラップ』極稀にしか出現例を見ないが読んで字のごとく踏んだ者をランダムに階層を飛ばされる罠だ。
「5層で運悪く踏んじゃってここまで飛ばされたんですけど・・・ここって何階層ですか?」
「55階層だ」
「55階層!?」
女性は驚く、それはそうだ。転移トラップにかかって50階層も飛ばされるのだから
「バベル探索は自己責任なんだが流石に見捨てるわけには行かんし送ろう」
「そ、それはありがたいんですがその、大丈夫なんですか?私女ですよ?」
この世界の男は女に対して少なからず苦手意識ある、だが転生者である征司はそんなものはない。この通り女を目の前にしても嫌な顔をしないのである
「どうでもいい、いくぞ」
「え?キャッ!?」
征司は女性をお姫様抱っこしてそのままバベル第55階層を走り抜け地上に向かった
「はぁ、はぁ・・・///」
「大丈夫か?」
1階層の出口に着いた征司は女をおろしたが女は顔を赤くし息を乱し足が震えている、無理もないだろう、『男』にお姫様抱っこをされながら1階層の出口まで走った、この世界の女性が味わいたくても味わえない夢のようなを味わってしまったのだから!
「え、えぇ・・・だ、大丈夫です・・・ありがとうございました。」
息を整え征司に感謝の意を述べる女性
「気にするな、じゃあな」
と征司は何かバッグから取り出しギルドに向かおうとした。
だが ギュッ! 服が掴まれる感覚があった。後ろを見ると女が服を掴んでいた。その目は何か言いたげだった
「あ、あの・・・お名前は?」
ああ、とそういえば自己紹介をしてなかったなと頭の中で手を合わせた。
「佐伯征司だ」
「わ、私は、桜坂絵梨と言います」
「そうか、じゃあまたどこかで」
そう短く絵梨に言うと征司はギルドへ向かった
「佐伯・・・征司・・・」
絵梨は征司の背中を目に焼き付けながら名前を呟いた。
これがそう遠くない未来、世界を驚愕させる出会い、そしてこれから待ち受ける数多の試練の始まりである・・・
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矛盾点などがあるかと思いますが優しく見ていただければ幸いです
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