俺、発達障害なんじゃね?

@pospom

第1話 はじめに

 ※このエッセイは、一度投稿したことがある内容が含まれます。

(そのエッセイは一カ月半ほど前にアカウントごと削除しました)


 削除したエッセイを少し書き直したもの+その後新しく起こったことを、このエッセイでは綴っていきます。どうぞよろしくお願いいたします。


 ◇◇◇


 人と同じ場所にいるのに、同じ景色を見ているはずなのに、どこか違う感じがする。まるで俺だけ異次元にいるような。

 幼い頃からずっと、そんな感覚を抱いていた。


 だが、それは俺にとってさほどたいした問題ではなかった。

 ただ俺がほんのばかし変人なだけだ。性格と趣向、性癖の違いである。

 まわりとちょっと違うだけの凡人で、別になんの取柄もない、かといって特別問題児でもない、ただのしょうもない一般人だ。


 三十四歳になるまで、そう思って生きてきた。


 あれれ~? おかしいぞ~? となったのは、数年前の冬のことだった。

 きっかけは総合病院に親知らずを抜歯しに行ったときのことだ。


 俺は紹介状を片手に、病院の廊下を闊歩していた。

 父親から奪い取った裏地が蛍光オレンジのジャンパー、毛玉まみれのセーターに、黄色い靴下、そして黒のクロックスという出で立ちで、肩で風を切って歩く俺の堂々さたるや。

 仕上げに髪はボサボサで、化粧をしていないという完璧ぶり。(作者にはちんこが付いていないので、周囲から最低限の化粧を求められることがしばしば)


 診察室に通された俺は、言われるがまま椅子に腰かけた。

 医者が抜歯の説明をしてくれるが、難しくてよく分からん。


 質問を重ねていくうちに、医者の顔に苦笑いが滲んだ。

 医者は俺の背後に視線を泳がせ、こう言った。


「お母さんはどこ?」

「いえ、一人です」

「あぁ~。一人なんだあ」


 それから医者は、まるで子供に話しかけるような口調で俺に話すようになった。


 おい。俺は三十路だぞ。なぜ親を同行させねばならんのだ。

 それになんだその口調は。俺は幼稚園児か?


 と苛立ったのをよく覚えている。


 家に帰り、母親にそのことを話した。

 すると母親が冗談交じりに言った。


「障がい者に間違われたんじゃない? だってあんたの恰好、変だもん」


 妙に納得した。もしそう思われたのだとしたら、親の同行を問われても不思議ではない。


 それからというもの、時たま母親が俺に対して「障がい者みたい」と言うようになった。半分冗談なのだろうが、俺は本当にどこか障がいがあるのではないかと疑うようになった。


 ネットで調べていくうちに、「大人の発達障害」という存在を知った。

「俺のことか?」ということもチェックリストにあったので、いよいよ自分がこれかもしれないと考えるようになった。


 いてもたってもいられなくなった俺は、心療内科に電話した。

 そして、発達障害の検査を受けることになった――


 これが今年の四月十日の話である。

 初診日は四月二十二日。

 検査は五月十五日。

 検査結果は六月三日。

 診断は六月十四日を予定している。


 このエッセイでは、診察や検査についての記録や、俺がいろいろと吐露する場所になるかと思う。

 興味があれば、見ていってくれ。


 ちなみにだが……

 この作者、特に文章内では一人称が安定しない。

 今回は「俺」で統一するように気を付けていたが、次話からはコロコロ変わると思う。許してくれ。

 語り口調も男になったり女になったり、丁寧になったり乱暴になったりと、ごちゃごちゃして鬱陶しいと思うが許してくれ頼む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る