第22話ページ43.44 健三の優しい嘘

せてもらうと言ってくれた。上芝はギャンブルでの借金で自分の家族が離れて暮らすことになった事でギャンブルは止めた。離婚を機に借金の事も両親に話、肩代わりをしてもらい今も毎月の給料から両親に返済をしている。

「美里ちゃんと誠君は、森山の年齢を聞くと、五十代ぐらいって言ってたぞ。帽子を深く被っていてはっきりしないと言ってたけどな」

 健三は少しだけ同い年なのに五十代と思われた同級生にフォローを入れた。二人は連絡先を交換してそれぞれ家路についた。

「ただいま。何となく解決出来そうになってきたよ」

 健三は制服に着かえて、則子と海老名さんに伝えた。時刻は午後六時になろうとしていた。海老名さんは六時までなので良いタイミングだ。新発売の紀州梅ロールのカット販売も好調で、残りは二つになっていた。

 閉店後、入浴を先に済ませ、夕飯の支度をしている則子が、

「紀州梅ロールは予想以上に好評だったね。明日も作るんだろ?」

「もちろん。ってまさか今日の好調ぶりはビックリだよな。明日は定休日前の月曜だし、ほどほどに作るよ」

「ところで今日の件はどうだったの?」

 健三は則子に話した。同級生の上芝だった事は何となく話さないでいた。結果報告を誠に送るために食後は自室に入った。

【こんばんは。権田です。森山さんを尾行し、駅に入ってから気づかれました。詳細を話すと、森山さんも詳細を話してくれました。森山さんはあなた方兄弟のお父さんの親友で、少しでも助けになればと思って購入してくれているそうです。これからもどんどん出品して下さい。沢山買いますので、心配しないでお小遣いを稼いでくださいと仰ってました】

 この内容だったら上芝も納得するだろうと思い、送信を押した。

【こんばんは。お忙しい中で僕たちの事を助

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