領内動乱編
第9話 スタンピード
第2章開幕であります。第2章が終わる頃には満足できる内容だと思いますのでどうかご覧ください。
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我が領土でスタンピードがおきた。とはいえ、我が領土も馬鹿じゃない。こういうときのために砦が立てられている。
逆に言えば砦を抜かれればモンスター共が領内に流れこむ。スタンピードは適切にモンスターを間引かなけば起きないらしい。つまり、我が家の責任となってしまうらしいのだ。まあ、砦防衛に最悪、失敗すれば処刑、良くて、身分剥奪で幽閉だろうとのことだ。平時の王国ならまだしも、荒れに荒れた王国では政敵たちの格好の餌食である。
というか、当然のように言われて私もびっくりしたが、この世界にはモンスターがいるようだ。流石、異世界だ。
あと、今更だが我が家の家名はルードリッヒ侯爵というらしい。王家、侯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵の順だから2番目に偉いということだ。
つまり、父が現当主でルードリッヒ侯爵ということだが、不在だ。というのも、王国内は荒れに荒れ6つある侯爵でバチバチにやり合っている状況だ。父は侯爵として、前線におりすぐには戻って来れない状況らしい。
とういうことは、私がやるしかない。領都から援軍を率いて早急に砦に向かうしかない。14才のやることかよと思うが、、
今は少しの戦力でもほしく、権力闘争なんかしてる場合ではないと考えて兄のベルゲンのもとまで行き声をかけた。後継者争いを優位に進めるためにも、置いていきたい気持ちもあるが。
「ベルゲン、早急に砦まで急行して援軍を出さないといけない。共に行こう。」
しかし、ベルゲンは顔をしかめて、ふざけたことをのたまいやがった。
「嫡男としてライルは砦に急行して救援に向かえ。俺は我が魔術を駆使して領都を守る。」
「ベルゲン!!貴様!!!この非常時になにふざけたことをいっている!!!!」
砦が抜かれれば、もはや地位の維持や領民の命を守るのは難しいというのに、領都にこもって一体何になると言うのだ。スタンピードが起きたのだから貴族の属性魔術という多数に特化した魔術の優位性がわからないのだろうか。
「ふざけるな。領都より優先されることがあるか!愚か者め!」
愚かなのはベルゲン、お前だ。ベルゲンがここまで愚かとは思わなかった。
「もう良い。私が行く!」
怒りのあまり、部屋を飛び出した。ベルゲンは私との勢力争いに優位だからといってあぐらをかいているのだろう。
父も父だ。こんな時に援軍を寄越さないとはどうかしている。ルードリッヒ候爵の存亡のききなのだぞ。
それとも、前線はそれだけ厳しいということなのだろうか。いや、援軍を出そうにもこれを好機と仕掛けてくることが考えられるためにうごくに動けないのかもしれない。
そもそも、記憶を失う前も含めて続いている今の戦は異常に長いのだ。お陰様で記憶を失ってからは父にあったことは無い。
1、2 ヶ月程度の小競り合いなら毎年あるが、今年は異常なのだ。隣の領の軍が、領の境界に貼り付き小競り合いを仕掛けてきているらしい。それも大軍を貼り付けているという。
こう考えると、今回のスタンピードはタイミングが良すぎるのだ。十中八九、隣の領に仕掛けられたのだろう。
早急に戦力をまとめ、砦に向かわなければならない。そのために、戦力は必要だ。トール先生とルイス先生に声をかけ、追加報酬を条件に協力を取り付けることができた。まあ、俺が死んだら講師も首だから、金づるがいなくなるから困るのだろうよ。早急に出陣の用意と、兵士をかき集めるように命令した。
最後に、今回の作戦はスタンピードからの防衛だ。対集団戦のエキスパートが必要だ。ちょうど我が家にいるのだ。戦術の先生だ。戦術の先生はよくわからない。これに尽きる。初老でいかにも歴戦の軍人という雰囲気を漂わせているが、どうぞ【じい】とでもお呼びくださいとはぐらかせるのだ。未だ名前さえわからない。母に聞いてもはぐらかされるのだ。
そんな、じいを探していると何やら、広場が騒がしい。不思議に思い顔をだすと、兵士が整列していた。なんと、その前にはじいがいるではないか。しかも、じいに向けて兵士が胸に手を当て敬礼をしているときた。領内に残っている最低限の警備を除いた数なので、300人程度と数は多くはないがただのじいに敬礼をするとは、実に異常な光景だ。
トールとルイスも現状がわからず、じいの脇に混乱して佇んでいるのがわかる。じいめ!何かを隠していやがった。
そんなじいはしてやったりと、いい笑顔をこちらに向けて微笑んでいるのがよくわかった。 きっとまだ隠していることがあるのだろう。さあ、今日は徹底的に問い詰めてやろう。
こちらもニヤリと微笑み返してやった。
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