凡人貴族の死にフラグが消えない。

シロクマくん

死の恐怖と成長

第1話 死ぬ夢といつもと違う天井

 貴方は死んでしまう夢をみたことがあるだろうか。私はある。日常が苦しく抜け出したいとき、突然に悲しいことがあった時だ。


 貴方は明晰夢というものをみたことがあるだろうか。ちなみに私はけっこうある。夢の中でこれは夢だと気づくあれだ。

 

 今日も死んでしまう夢だが、妙にリアルで痛覚もある不思議な夢だった。手足を固定され、首を斧で切られる、そんな夢だ。だが、明晰夢にしても妙にリアルであった。


 さらに多くのギャラリーがいて私に石やらゴミやらを投げつけるのだ。石が当たると血が滲み出て、体が壊れてしまいそうなほど痛い。


 石の一つ一つに殺意が伝わってくる。さらにゴミを投げつけられるたびにどんどん汚くなっていくごとに、民衆の私を嘲笑する感情がひしひしと伝わってくるようだった。


 意識が朦朧としていたので、何を言われたのかはよくわからない。それは、多くの罵声なのだろう。それは恨み、殺意などの様々な負の感情だ。語気が荒く、その民衆の熱は異様だった。湯気が立っても不思議ではないくらいには。


 何やら、【ライル】という単語がやけに多い。この体の名前だろうか。少なくとも俺の名前ではない。親からもらった立派な別の名前があるのだから。


 早く目が覚めてくれ!頼む早く起きろ!そう願えど、願えど、目覚めない。ただ、こういう時は金縛り然り不思議と目が覚めないものだ。


 周りで何やら書物を読み上げごちゃごちゃと読み上げていた。罪状でも読み上げているのだろうか。今、気付いたが服装や建築物は中世のヨーロッパのそれだった。建築物はレンガ調で、服装も洋式のものにちかいだろう。しかし、民衆たちはまるで圧政に苦しんでいたかのようにやせ細り、服はくたびれていた。


 もしかしたら、ここまで民衆が疲弊してしまったのは、今まさに処刑されようとしている私のせいなのかもしれない。だって、これだけ私に民たちが怒り狂ったように声を上げているのだから。


 ついに、隣にいる男が私に向かって斧を振り上げようとしている。夢だと分かっていてもこういうのは死ぬほど怖いものだ。


 がくがく体が震え、鼻水涙が止まらない。心臓もすごい勢いで動き、頭も真っ白だ。やったのはこの体の持ち主で私なのにどうしてこんなことになってしまったのだろうか。


 そんな、私の心情とは裏腹にに民衆の熱狂は最高値に達しているのがわかる。それを一身に受ける私は潰されてしまうのではと錯覚するほどだ。


 あと、なんかあそこが濡れている気がする。これは起きたら大変かもしれない。幼稚園児以来漏らしたことなんてないのに。。


 もしかしたら漏らしているかもしれない。これから死ぬという瞬間に考えることではないと私も思う。だが、怖いときこそ現実逃避をしたいものじゃないだろうか。


 ついに私に勢いよく斧が振り下ろされ、自分の首が落ちゴトッ音を立て地面に転がった。やせ細った自分の体が見えた。服には鷲のような紋章があり、家紋??のように見えた。

 

 このライルという男は一体何をしたのだろうか。多くの民衆にこれだけ負の感情を向けられるとは。こんな男にだけはなりたくないものだ。ふと最後に思ったのはそんなことだった。


 ふと、目を冷ました。目を開けるといつもとは違う天井がそこにはあった。あと悲しいかな。股の辺りが濡れていた。


◆◆◆◆◆


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モチベ上がりますのでよろしくお願いします。


第2章が終わる頃には、満足して終われる内容と思いますので、そこまで読んで頂けるとありがたいです。

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