第2話 如月湊の資質
京都とか東京まで...
徒歩で2週間程かかるだろう。
あの女、非現実的な事を言いやがって!
もし辿り着けたらあいつの服を脱がせて恥じらいの顔を見てやる!
............
辿り着けたらの話だがな...
とりあえず資質を使えって言われてる事は分かる。
非現実的な事には非現実的をぶつければ良いって事。
でも自分の資質はなんなんだ!
思い出せ、あの時どうやって犬を倒したんだ。
はぁ...とりあえず東に歩きながら考えるか...
犬が感電死していて...僕も電気の火傷を負っていた。
電気を操る能力?だとしたら自分自身にもダメージがあるのは酷すぎるか...
現実はそういうものなのか...
でも今電流を流そうとすると何も起こらない
あの時と違う事は犬が居るか居ないかの違い、それは関係ないはずだ
◆
4月6日14時10分
2時間程歩いただろうか、流石に喉が渇いてきた。
近くに自販機があった為僕は水を買い、飲もうとする。
ただ喉を通して飲もうとしたその瞬間、あの時のような電流の痛みが流れ始める。
あまりの痛さに水のペットボトルを落としてしまう。
そうか!あの時の違いはもう1つ。
雨が降っていたかどうか。
水を電気に変換して自分自身に流していたのか!
完全に理解した、僕の資質は変換!
物と別のものを変換することが出来る。
まるでデータをダウンロードするかのように脳みそに入っていった。
そうとなれば後はこの資質をどう駆使して東京まで着くか…
特に思いつかない...
体に電気を流して筋肉を動かしたとして途中で体はぶっ壊れるだろう。
電気以外に変換するとしても特に使えそうなものが思いつかない...
攻撃方法はいっぱい思いつくけどな
例えば何かを刃物に変換して不意打ちしたり...
雨を矢に変換して体を穴だらけにしたり...
石を投げる時に
...!
そうか!なんで周りの物を変換してたどり着こうとしてるんだ。
自分自身を雷に変換して.........はちょっと勇気が必要か...
そんな事して元の体に戻れるのだろうか。
そんな事考えててもどうせ僕は火口ENDなんだ。
とりあえずやってみるしかない!
僕は助走をつけ、足から体が雷のように空気を伝う電気のイメージで体を変換させていく。
電気による痛みは無い。
視界が早すぎて今どこに居るかも分からない。
とりあえず東に向かって直線に進むしかないか。
◆
4月6日14時24分
ピンポーン
インターホンを押すが返事が無い
これはもう察せと言うことなのだろうか
僕は疲れた体でドアを開ける
玄関には透が立っていた
「2時間24分。意外と早かったね。」
「もっと時間がかかると思っていたよ。」
奥の部屋に移動しながらそう話してくる
僕は透の後ろをついて行きある気持ちが湧いてきた。
達成感とか疲労とかよりも先に出てくる感情があった。
「てめぇいきなり京都に置いて行きやがって!身ぐるみ剥いだろうか!」そんな冗談を言うと
............
「ハハハハwww」
「身ぐるみ剥いだろうかってwww」
「表現がちょっと古いんじゃないかなwww」
透は笑いながらそう言ってきた。
「いやー君って面白いね、興味が湧いてきたよ」
「さっ本題だ」
透は椅子に座り話を始める
「旅行するなら何処に行きたい?」
何を言ってるんだこいつは
「
「それを止めにその国まで行くんだよ」
...?
ひとつ頭に疑問が浮かぶ
「なんでその国はそいつらを止めないんだ?」
そんなことを言うと透の表情が変わった。
真剣な顔だかどこか悲しそうな表情をしている。
「止めれないんだよ...」
「日本は私たちがいてまだ大事にはなってないが」
「フランスは今都市が機能してないしそもそも消えた国もある。」
「資質を持ってない奴が持っている奴に立ち向かうのは江戸くらいの文明で現代のアメリカに立ち向かうようなもの」
「例え数で押したとしてもだ...」
また透は表情を変えて今度は怒ってそうな顔になる
「てか
あいつ...蒼空の事だろうか?
蒼空の資質はなんなんだろうか
今度聞いてみるか...
「ねぇ湊くんFPSとかやってる?」
「まぁ、男子高校生なので多少は...」
「え!じゃあランク上げ手伝って!コントローラーでいい?!」
情緒がよく変わる奴だな...
「まぁ...いいですけど...」
「君、いい人だね!
「自分で上げろマンブー野郎」
「って冷たい目で言われたんだよ!」
この人と居ると疲れる
非常に活発な人だ
「じゃ、よし始めようか」
その後僕たちは1時間ほどFPSをした。
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