異世界行ったら過酷すぎました!?

@kuantamuman

第1話 始まり

最初のころはワクワクしたさ、異世界で魔法が使えて。これからアニメとかであるチートライフが出来るんだと思ってた。


けど...異世界も「現実」なんだ。






「敵が来るぞ!武器を構えろ!」


魔法による空爆が終わりこれから敵とのぶつかり合いが始まる。そう、これは戦争だ。

俺は敵を...殺せるのか...?


「レイン!手が震えているな!そんな物じゃ敵に殺されて終わりだ!死にたくなきゃ訓練を思い出せ!わかったな!」

「い、イエッサー!!」


そうだ、俺はあの地獄のような訓練を耐え抜いたんだ。やらなきゃ...やられるんだぞ!


「総員突撃ー!」


耳が響くくらいの笛の音が鳴り響き、周りにいる人たちが敵に向かっていく。それに釣られるように俺も向かう。


「うおおああああ!!!」

「食いやがれ!!!」

「燃え尽きろぉ〜!!!」


炎と血と泥にまみれた戦場はまさに地獄と呼べるだろう。俺もやらなくちゃ...いけないんだろう...


「まって...やめてくれ...」

「はぁ、はぁ、はぁ、」


この人、多分誰かに刺さてそのまま放置されたんだ。今なら抵抗もされずに殺せるのに...


「俺には、妻が...待ってるんだよ...だから、どうか....」

「...ぅっ、くっ...」


こんなの、おかしいだろ。いきなり死んで、2度目の人生始まったと思ったら戦争に巻き込まれるなんて!


「むりだ...なんで、こんな...」


無理に決まってる。こんなこと



そう考えていた時、急に視界が揺れた


「クソッタレ!良くも仲間を!」


なんだ...?何か、殴られたのか...?俺がやったわけじゃないのに....でも、ここで死ねるのなら、いいか


「まて、そい...」


視界が揺れてよく見えないが、一瞬とてつもない風が吹いて、さっきの死にかけてる男の首が目の前に来た


「おい、ここに負傷者が...」


だめだ...もう、意識が....



____________________




「ん....あ....」

まわりには沢山の負傷者がいる。たしか、あの時俺は頭の後ろらへんを殴られて...


「いたっ...」

起き上がろうとしたら酷い頭痛がした。とても痛いけど、死ななかっただけマシなんだろうな


「あ、君起きたのか」

40、50ぐらいのおじさんが喋りかけて来た。服装からして医者だろう。


「あの、戦いはどうなったんですか?」

「ああ、デュラク攻略戦か」


デュラク攻略戦。敵の国、オーガスを攻めるためにその道を切り開くためデュラクという中継基地?みたいなところを攻める作戦らしい、あまり聞かされていないが


「結果としては、まだ膠着状態だ。とにかく君は大丈夫そうかい?」

「はい、意識は取り戻せたので...」


あの地獄がまだ続いているのか。あの時多分助けてくれたのはソルーシャ隊長だろう、そして多分あの首は...


「うぷっ...」


視界の先にあったゴミ箱に自分の胃液を流し込む。ここ最近は食料は変なバー何本しか食べれていないのか、固形物が見当たらない。


「ゔっ...お゛ぇっ」


ここに来てからも何度も思ったよ、なんでこんな目に...


「とにかく、君はここで休んでいた方がいいだろう」

「すみません、ありがとうございます...」



____________________



周りを一通り見れば俺と同じ負傷者もいたり、ベットが足りないのか床に寝転がられてる人もいる。それだけあの戦いは激しかったんだろう。


そうやって考えてたら、こっちに歩いてくる足音が聞こえた。堂々としていて、何個もバッチが付いている。この人は、ソルーシャ隊長だ。


「貴様!せっかく私が助けてやったのに途中で気絶するとはな!」

「す、すみません!隊長!」

ものすごい視線が集まってる...まぁそりゃそうだろう。前線にいるべき人間がここに来てるのに。


「私は時間がないから貴様に言うことは一つ!敵に情けをかけるな!!以上!!」

「イエッサー!」


あの時のことを言ってるんだろう。...こんなことを言うのもあれだが、仕方ないだろ。いきなり人を殺せだなんて...



ソルーシャ隊長はそう言って、若干の小走りで出て行った。もうここの空気感は最悪と化した。



俺はこの世界で生き残れるのだろうか?

そして、俺は人殺しになれるのか....?

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