この残酷な世界に優しさを

東西南北

第1話 ある日突然

空を見上げて見てよ

この世界の空はこんなに青いんだよ。

もちろん空はいつでも青い訳ではない

雨が降ってる時もある曇っている時もある

でもやっぱり空は青い方が好きだ。


「お母さん!!今日ね!お空青いの!!」


少年の名はアルス・フェイク青い空が好きなこの小さな村の少年だ。

アルスは満面の笑みで母親に空の青さを伝えた

外で遊ぶのが好きで毎日朝から晩まで遊んでいる少年だ。


「本当ねぇ、お空青いわね!」


母親もアルスと同じく青い空が好きだ

青い空が嫌いな人などいないだろう

青い空は心を穏やかにし幸せな気持ちにさせてくれる。


「今日はね!お外で沢山遊んだの!!もっと遊びたいんだけどお腹すいちゃった!」


「お昼はとっくに過ぎてるわよ、本当アルスはお外で遊ぶのが好きね!」


「うん僕お外大好き!!」


「ご飯用意してるから一緒に食べましょ!」


まだ空は青い、時間は昼の2時くらいだろう

アルスは母親と用意されたお昼ご飯を食べながら午前中の出来事を話す。


「今日はお外で兎さんを探してたの!でも今日も見つけられなかった、」


「あら、兎さん見つからなかったのね

次は見つかると良いわね!」


「うん!絶対見つけるんだ!」


ご飯を食べ終わりアルスはまた外に行く準備をする。


「また外に行くの?」


「うん!兎さん探しに行くんだ!」


「頑張ってね!でも日が落ちる前には帰ってくるのよ、」


「うん、じゃあ行ってきます!!!」


アルスは家の扉を開けて走って外に出た。

日が落ちると危ないのは誰だって分かるだろう

だからアルスは絶対日が落ちる前に家に帰る


________________________________________


日が落ち始め空が青から赤色に変わっていく

そろそろ家に帰る時間だ、アルスは走って家に向かう

今日は結構遠くまで来てしまった

家に近づくにつれて段々赤くなっていく

いつもはこんなに赤かったかなと思ってしまう程に


「もうすぐ村が見えてくる!」


アルスは全力で走る

アルスの視界に村が映る

その瞬間いつもとは違う事にアルスは気付いた


「!?」


村は燃えていた

突然の事でアルスはその場で固まってしまった

いつもの村がそこには無い

固まっていたアルスは何かに気付き燃えてる村へ向かって走り出した。


「お母さん!!!!!!!!!」


母親を助けに向かったのだ

何かを考えている余裕はアルスには無いのだ

母親の生死が気になり泣きながら走る

アルスはすぐに燃えている家に辿り着いた

炎の暑さで自分まで燃えてしまいそうだ

アルスは子供だが直感で気づいてしまった。

もう母親は死んでいる事に、この燃えている家の中では生き残れないことに、周りにも村人の姿が見えない

アルスはその場に崩れ落ちた。

その場には村の燃える音とアルスの泣き声だけが響き渡っていた。



「お母さん、、、お空、真っ赤だよ、」














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