石見さんはぼそぼそ喋る
ステスタ
プロローグ
放課後の教室
僕と石見さんの二人きりである。
どうしてこうなったのかと言うと僕が石見さんの下駄箱に手紙を入れて放課後教室に来てほしいと呼び出した。
緊張から自身の心臓が大きく鼓動しているのが分かる。
「すー。はぁー」
一度大きく深呼吸をした。その間、石見さんは何も言わず、ただ待ってくれていた。この状況、おそらく石見さんは気づいているだろう。今から告白されるのであろうと。
「石見さんの事が好きです。僕と付き合ってくれませんか?」
勇気を出して伝えた。
気になる返事は
「・・・」
石見さんは帰って行った。
何も知らない人からすれば石見さんは何も言わずに帰ったように見えるだろうが違う。僕は知っている。石見さんは物凄く声が小さいのだあると。この事実に気づいた僕はある練習に明け暮れた。それは相手の唇を見て言葉を読み取る技術。読唇術をマスターしてきたのだ。だから僕には石見さんがなんて言ったのか分かった。
『だるい』
そう言い残し石見さんは帰っていった。
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