しょうと

いみ

いみがあるのかないのか。彼はいつも僕の陰口を叩く。大して偉くもないくせに、陰キャのくせにと。

別に、忌わしく思われてもよい。そこには、生理的な問題もあるのだろうから。だけども、有ること無いことを吹聴するのは、我慢ならなかった。

彼の事実と学校名、学年を、炎上系インフルエンサーに金を渡してsns上に流してもらった。

効果はてきめんだった。彼が学生時代にいじめられていた事も原因だったのだろう。

出来事は誰かに特定され、彼は、僕の加害者であり、誰かの被害者となった。

僕と彼は、被害者と加害者として、snsに上げられた。

今になって思う。僕は彼の人生を奪ったのだ。

彼は、蔑まれ、大学にも進学できず、就職もできず、親のスネを未だにかじった、引きこもりになったそうだ。

ああ、なんてことをしてしまったんだ。

洗面台にいき、顔を洗う。

鏡には醜く笑うモンスターがいた。

僕はなんてことをしてしまったのだろうか