第24話 (暴力閲覧注意)長安の休日3-3〜Real Good Looking Boy 愛さずにはいられない〜
「ゴルァ! 十五円五十銭と言ってみろ!」
「じゅ、じゅうごイェンごジュッシェン」
「コイツ、やっぱり異人ですぜ!やっちまいましょう!」
「異人は国に帰れよ!」
「帰れ帰れ!」
少年は一斉にサンドバッグのように三方向から一斉に殴られ、口から血を吐く。
ガラの悪い悪党たちが怖くないと言ったら嘘になるが、丙吉も仮にも公務員。官僚機構の頂点に君臨する陛下が隣で見ている。この国の、この街の安全を守るのも仕事として役人の心得として着任するときサインしてる。この場でやるべきことは―もちろん猛烈にやりたくないが―迷う余地もなくひとつだけだ。
足元ガクガク震えながら、止めに入ることにする。
陛下は隣で「あの少年……美形……美味しそう……。」とか言ってる。だめだこりゃ。
「これ!大の大人が一人の少年相手によってたかって何をしてる。」震え声で全然迫力がない。却って舐められる……。
「なんだコイツ? 親分、やっちまいましょう!」
「ここはあまちゃんのいちゃラブカップルが来るようなところじゃねえ!痛い目に遭いたくなければ帰りな!」
「お前らこそ、国に帰れとか言っておきながら手足縛って帰れなくして暴行するとはどういう頭の構造してるんだ?」
恐怖に押しつぶされそうになりながらも絞り出すような声で三人組のリーダー格と思しきデカい男に啖呵を切る。
「おうおう!美味そうなねえちゃん連れてるじゃねえか、恋人か?そいつにちょいと伽してもらえれば五体満足で返してやっていいぜ」
こっちの言う事など全然聞いてない。それにな、こいつは男だ。伽などさせたら翌朝目が覚めた頃には尻に薔薇が咲いてるぞ。
「僕のへいいをバカにするな!そんなんじゃ無い(もっともっと遥かにおぞましいものだ)!」
「
「へへぇ、お前ごときに何ができるっていうんだ!女はいただくぜ。」
ナイフ片手に悪党が陛下に迫る。おい、それあかんヤツや。
「そんなことをして(陛下に何もされないという意味の)ただで済むとは思わないことだ。」
「なんだと、俺達のバックにはよ、あの霍禹将軍がケツ持ちに控えてるんだぜ。警官も手を出せないぜ。」
やれやれ。無知って怖いね。この国で陛下相手にバックにいるケツ持ちの強さを自慢するとは呆れた。バックから陛下にケツの穴でも掘られてろw。それに霍禹将軍なら許皇后に毒を盛った大逆罪とその協力者という名目で親類縁者一族郎党数千人まとめて先月処刑台の露と消えたばかりだ。末端の末端でまだそのことを知らないのだろう。
「私の貞操は
皇太子殿下を設けている平君とはどうなんだとか、そもそもオレそんなもん全然欲しくないしとかいろいろ思うところがあるが、そんな些細なことは置いといて陛下ブチギレご乱心する五秒前。こうなったらもう誰にも止められない。
ブチギレを防ごうとするとか無駄なことはやらずに悪党どもが陛下に気を取られて手薄になってる隙に少年の束縛をほどき、ひどい外傷には手当をする。体内の中のほうはおじさんには無理だゴメンな。
「へへっ、きれいな肌できっくんとやらのもとに帰りたければ、俺様と寝な」
悪党のリーダー格がナイフを持ち陛下に向ける。はいアウト。大逆罪成立の現行犯。
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