吠愚(ギャング)
神田一二
第一話 実態
1
悪い奴は嫌いだ。死んで地獄に落ちて磔刑されればいいと思う。悪い奴と言っても定義が不明確だ。なのでここでは、非合法な手段(暴行や強盗、詐欺、)を生業として自分の思惑通りに事を進めようとする奴を悪い奴と呼ぶことにしよう。
さて、なんで僕がここまで悪い奴が嫌いかと言うと肉親を殺された、脅されて金をとられたという理由ではない。私には父も母も金もないし今日生きるので精いっぱいなのだから。
では何で嫌いかと言うと…
「おい、坊主!!金出せよ!!」
「ヒっ!ヒっ!お金なんてもう持っていません」
そう、僕の友達が悪い奴だからだ。
「ああん?坊主よ!本当は持ってるんだろう?」と少年の首を掴んだ。
「志乃、やめろ。この子が苦しんでいるだろう。」と僕は友達の志乃に注意した。
「チィ」と志乃は言い少年の首を離した。
少年は志乃に首を離され泣きながら僕に感謝を伝え急いで逃げていった。
「おい、和!折角のカモが逃げたじゃないか!」とすごい剣幕だったが
僕は「志乃、あんな子からお金を盗るな!」と怒った。
「あぁぁお前のせいで今日のノルマが・・・」志乃は地面にうずくまった。
「志乃、お前なまだ、あんな所にいるのか来年には受験やら就活があるんだから・・」
「うるせぇ!正義の面したクソ女。」と暴言を吐き志乃はどこかに行ってしまった。
はぁ~ぁ僕はため息をした。
昔はあんな兇暴な性格じゃなかったのに・・・はぁぁ、いつも楽しく遊んでたあの頃に戻りたい。
2
「チィ、和のせいでノルマが達成できるかどうか・・・」とあたしは頭を抱えながら歩いていた。
前の奴の肩があたしの肩にぶつかった。
「ッ痛いな。誰だ?」と振り向くと金髪の男と二人の取り巻きがいた。
すると、金髪の男が「あっ、すまねえ。可愛いお嬢ちゃんギャハハハハ」と笑い
取り巻き二人も「「ギャハハハハ、最高ですね。ハハハハハ」」と大笑いをしている。
あたしは怒り
「なぁ、そこのお前」と金髪の男に向かって言う
金髪の男は「はぁ、何だよ。おじょ・・あぁ」
あたしは金髪の男の首を掴んだ。
金髪の男は「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」とだけ言ってほぼ放心状態。
取り巻きの一人は「おい、兄貴になにやってくれてるんだ。クソ女」と右ポケットから刃渡り十センチのナイフを出してきた。
「おりゃーーーしね!!!」とあたしの背中向けてナイフを刺しに来た。
あたしはナイフを持っている手を、足を後ろ向きで蹴った。
ナイフを持った男は手を押さえてナイフを落とした。
「なぁ、お前さんの取り巻きってレディーファーストっていうものはないんだな。一人の女にナイフ。最低だな!!」とあたしは金髪男の首をもっと強く絞めた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」という金髪男
そして、取り巻きの一人がナイフを取りまた私を襲ってきた。
次は、あたしはナイフを持っている取り巻きの腹を狙って蹴った。
見事に腹に当たりナイフを持った取り巻きは吹っ飛ばされ気絶した。
ナイフを持っていない取り巻きはその辺に落ちていた鉄パイプであたしをボコそうとしたがあたしの足技を喰らって近くのごみ箱に吹き飛ばされ気絶した。
「本当に、お前の取り巻き、レディーファーストがなっていないんだな。武器も持っていない女にナイフと鉄パイプで攻撃する野郎がいるか!!!」とあたしは金髪男の首をもっと強く絞めた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」と金髪男も気絶した。
「はぁあ、やっと気絶したか。はぁあ、よし、お前らに罰を与える」と気絶した金髪男に向かって言う。
「う~ん、そうだな。お前とお前の取り巻き達の財布を頂くだけで今回の所は許してやろう」
あたしはそう言って気絶した金髪男と取り巻き達の財布を頂いた。
「さて、どのくらい入ってるんだろう」とあたしは財布を見る
財布の中にはたくさんの札束があった。特に金髪男は一万円札が二十枚あった。
これで、今日のノルマは大幅に超えた。
あたしは良し、と思い金髪男たちから離れあの方がいる所に向かった。
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