N.C.093 軍事侵攻
R国が隣のU国に軍事侵攻を開始した。
世界連邦が誕生してからは一度もこういったことは起こったことが無かったため、世界各国から驚きと非難の声が挙がっている。
今ではほとんどの国が戦力を保有しているため、まだ自衛ができている状態ではあるが、戦力を保有していない一部の国では戦力を保有するべきであるという主張を掲げる人々によるデモ活動が行われ始めている。
* * *
「はああ!? マジかよ!? 聞いてないって!?」
そんなことを喚き散らかしているのはU国国防省の官吏の一人である。
この場に居る全ての人がR国が我が国に侵攻してくるとは聞いてはいないのだが、今問題なのはそこではない。
前線からの通信で過去に使われたことのない全く新しいタイプの兵器が使われていることが判明したのである。
これは、今まで一世紀近く戦争をしていなかったために、世界中で兵器の発達がほとんど進んでいなかった中での知らせだったことから、世界中から驚きの声が挙がった。
「とにかく専守防衛の姿勢を貫いて領域を守り切るように。反撃するとかそういったことは考えるな。俺達にはまだ世界が味方してくれるはずだ。まあ、そこのところは外務省の連中が今も頑張ってくれている」
しかしながら、支援に難色を示す国が想定していたよりも多く、ただでさえ潤沢ではなかった軍備を食いつぶしながら戦って行くのには限度があり、そのまま全面戦争にまで発展していくことは誰も予想できていなかったのであった。
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