N.C.044 宗教の自由化
憲法で一部の宗教しか認められていなかったものが、全て認められるように改正された。
政府は20年代後半に入ってから次々と緩和の方向で政策を展開しており、今後はどうなっていくのか注視していくべきであろう。
* * *
「いよいよ我々の存在が公に認められる時が来たか」
彼はある新興宗教の教祖であり、今までは水面下での活動を強いられてきていた。
それでも、彼の教団には多くの人が入信しており、信者からは高い評価を受けている。
今も地道に信者を増やす活動をしている最中でのこの知らせはまさに神がかっているといっても過言ではない。
「これから臨時の全体会を開くので、信者の人たちは全員参加するようにしてほしい」
いくら大きいといってもその規模は数十人程度であり、IT技術が発展した昨今であれば全員がすぐに集まることは比較的容易である。
「これからは、すべての宗教が平等に権利を認められることになった。それに伴い、我々への影響も少なからずあるだろう。そこで、これからの活動方針について話し合っていこうと思う。皆で意見を出し合って我々のこれからをより良いものにしていこう」
こうして始まった全体会で出た結論としては、これからはより積極的に活動を行っていくというものだった。
そしてこの教団が今後急速に規模を拡大した結果、三大宗教ではなく四大宗教と呼ばれるようになることを、この時はまだ誰も知る由はなかった。
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