Showdown
遺跡近くの荒廃した高速道路。
使われなくなったその大きな道に日が落ちて、影が差す。
暗がりを潰すようにいくつもの照明が付けられ、簡易の闘技場が作られている。
高速道路から真っ黒な廃墟を見渡すと、遠くの方にギラギラと輝くネオンの光で着飾った街が見えた。
「桜花、あれが僕達の街だ。―――これが今の人類さ。暗がりを恐れ、寄り集まり、小さな集団の中でマウンティングを取り合ってる。」
A級だ上級民だと息巻いて見ても、所詮はあの小さな光の下だけの話。荒野はこんなにも暗闇で充たされているんだ。
「こうやって外から見ると滑稽だろ? まるで暗い大海原に投げ出された漂流者の集まりみたいなのに、あそこに住んでいる奴等はそれに気付こうともしないんだ……。」
高速道路の路肩からハードボイルドにキメる僕に桜花が近寄る―――。
「キョウ……。詩人になって現実逃避してる所悪いんだけど、いい加減現実に帰って来てくれないかなぁ?」
『
僕らの上空を飛び交い無遠慮にサーチライトで辺りを照らす無音ヘリからBGMを背に大声のアナウンスが荒野に響き渡る。
『さぁ! お待たせしました! 全世界3000万人の視聴者の皆様っ! 今宵も始まります!スカベンジャーギルドプレゼンツ!
レディ・ダニエルとギルド証にある決闘申請の機能を使ったらモノの10分程度でこんな事になってしまった。
何が起こったのか全く分からない。
完全に僕の理解の外である。
『今回のカードは個人的にひっじょーに興味深いものになっています! 私興奮でヨダレが止まりません!! 先ずは皆様ご存知の方も多いでしょう! 栄えあるA級ライセンス所持者! その鍛え抜かれた大胸筋はまさに発電所! 100万ボルトの貴婦人! A級ハンターパーティ紫電のリーダー! 雷帝! レディ・ダニエルぅ!!!』
何やらロックなBGMが流れ、レディ・ダニエルに対してスポットライトが当たる。
ねぇさーん!とかやったれ!!とかチームメンバー達から飛び交う野太い声援に応えるレディ・ダニエル。
大胸筋が発電所って何……?
『そしてぇっ!! 対するは知る人ぞ知る魔弾の凶手! 敵対するその全てを闇に葬り去って来た最速の
待て!! 何でキョウの名前がギルドに伝わっているんだ!?
僕はギルドに名前の登録何かしていないぞ!?
本名不明なのでやる気のないギルドの受付のおっちゃんが黒鬼とだけ登録しているはずだ!
パッと上空を飛び交う無音ヘリの群れがサーチライトで僕を照らす。
僕の後ろで桜花がきょー! 頑張れー! なんて声援を送ってくれる。……うん。ありがとう。
『実況はこの私! スカベンジャーギルドのヤマモトと、解説は―――!』
『第76号遺跡の警備ロボット。RX2-D2 936号、鈴木 九三六がお送りします。』
鈴木氏ぃ!?
いつの間にか鈴木氏がヘリの中で実況のヤマモトとやらの横に座って?いる。
『鈴木さん! 突然のオファーにも関わらず解説役を快く引き受けて頂きありがとうございます!』
『いえ、なにぶん私もキョウに拾得され立てで先立つ物がなかったので助かりました。』
『遺物的にも世知辛い世の中ですからね!』
拾得した覚えはないんですけどぉ!?
ってか、あのドラム缶野郎。早速仕事を見付けてやがる……!
『今宵のこの対戦カード! どうですか!?解説の鈴木さん!?』
『ええ、非常に興味深い1戦です。片や雷を操る
『分かりやすい説明ありがとうございます!さぁ、
ど、ドンミスイット……。
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