「創作論・評論」にて不正確な情報を拡散させたことの記録
松川 i
1 それを投稿するまで
小説を書いていました。
Wordで書きためた、「ほかの誰にも書けない“私だけ”の最高傑作」です。
今も書いています。
五月四日。
結構な文字数になったため、投稿サイトに載せてみようと思いカクヨムに登録。
その少し前、ウェブ小説の書き方・読まれ方について多少学びました。
私の小説は、読者のことを全く考えていない独りよがりのものであることを思い知らされました。紙の書籍であっても同じです。
いまさら大きく修正はできないし、初めて書くものくらいは自分のやりたいようにやろう。
だけどまあ読みやすいようにせめて、改行を増やし空行を入れ、一話あたりの文字数はあまり多くならないように。
Wordの文章を手直ししてカクヨムの下書きコピペ、公開用に整えます。七、八話分の下書きを用意しました。
五月七日。
小説を初投稿。四話分の下書きを公開しました。
PVは0です。
連載開始当初、私は淡々と小説の投稿のみを行っていくつもりでした。
コメントの受付は「許可しない」に設定。もしコメントをいただくことがあったら私の性格・能力上、お返事の文章を考えるのに時間がかかりすぎてしまうためです。
その後は一日一話ずつ、下書きが常に三話程度ある状態で、続きのエピソードを公開していきました。
PVはずっと0です。
書き手は多い。それにタイトル・キャッチコピー・あらすじ、全てが目を引かないのだろう。ジャンルも間違えているかもしれない。
まったく読まれなくてもなんら不思議なことではない、のかな。
「創作論・評論」を読んだり、自主企画に参加したりしながら投稿を続けます。
初投稿から一週間も経ったころからか、「読まれる小説を書きたい」との気持ちが湧き起こってきました。
自己満足の小説でも、読む人が誰もいないのでは、投稿する意味がありません。
ある程度、そうだな、十万文字くらい投稿したら、ほかのものも書いてみよう。
カクヨムでほかの小説を読み始めたのはそのころからでした。気になる創作論を書いている方、自主企画の主催者・参加者の方などのものです。
投稿作品のコメントまでチェックして、創作論と合わせて書き手と読み手、両方の感覚を受け取ろう。そう考えるようになっていました。それまではウェブ小説の作法を読み取ろうとするだけで、作品のストーリーはまったく頭に入れていませんでした。作風や設定の影響を受けてしまうのが怖かったのでしょう。
自作を書くのであれば、たとえ無意識であっても、よい作品からの影響を拒否する理由はないな。パクリにならない限りは。
コメントももらったほうがよさそうだな。いろいろと得るものがあるだろうから。
さまざまな創作論を読んで、考え方が変わっていきました。
五月十八日。
小説の十六話目を公開。
(以下、私が投稿した創作論の内容との重複が含まれます)
ここでふと、「そういえば自分の投稿作って、トップページの『新着小説』にどう表示されるのだろう?」と思い、公開直後にトップページをチェック。
……私の小説は表示されていません。
時間を置いて再読み込みを何度かしたり、「もっと見る」から公開時間までさかのぼってチェックしたりを繰り返しましたが、やはり表示されない。
自分の投稿作は表示されない仕様なのかな、と思いつつも、“カクヨム 下書き 投稿 新着”で検索。
すると、過去にも創作論、エッセイ、近況ノートにて、同様の事例について書かれたものがありました。
【このエッセイを書くにあたり、それらをもう一度チェックしました。その中には、作者様が(のちに私も知ることとなる)システムの勘違いをしていたのかな、といった内容のものもあります。また、私が下書きを公開したときとは異なる条件であったらしい(正確な状況は不明)ものもありますが、当時は「自分と同じだ!」と捉えておりました】
私はそれで知りました――ではなく、勘違いをしました。
「下書きを書きためた場合、全ての下書きの中で最新のエピソードにあたるものを公開したのではない場合、トップページには表示されない」
と。
そして私は、公開した十六話目の本文をコピーしたあとで一度削除、「次のエピソードを執筆」でもう一度ペーストした十六話目を作成、最新エピソードの下書きの状態で公開しました。
直後にトップページをチェック、「新着小説」の欄にそれは表示されています。
そうかつまり、初投稿からこの日まで、私の投稿作は一度もトップページに表示されなかったのだ(今となってはそれはわかりません)。
その日初めて、私の小説にPVがいくつか付きました。投稿開始から十二日目です。
新着に表示されさえすれば、一応読まれるものなのだ(これも今となっては偶然だったのかどうか、わかりません)。
まったく読まれていなかった小説にPVが付いて、私は喜びました。
そして思ったのです。
「これは、私と同じような方法で投稿して読まれない人がいるに違いない」
「創作論を読んでいろいろとためになったし、私もせっかく知った(勘違いした)ことを書いて公開したほうがいいのかな」
新しい小説に挑戦する。ただ投稿のみをする、という方針も変える。ほかの方が書いている要素や意見も受け入れる。
私も、自分だけ得るのではなく、もしほかの方にとって有意義な意見や情報がある場合は、それを提供しよう。
私は“新しい小説を作成”、種類・ジャンルは「創作論・評論」、本文を書き、投稿しました。
続きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます