あなたのこと

第一話 過去と今

ずっと引きずってる。7年前のを。


鳥のさえずりが生徒会室の窓から聞こえる。

高級感あふれる部屋に俺は今日一人。誰も来ない。

まぁいい。今日から俺は生徒会長になった。だが、俺は後悔してる。

この学校、やけに多国籍だったことを....

『ガチャ』とドアが開く。

「おはようございます!김 순미(キム スンニ)と申します!」

俺はうつ伏せになっている。

「え...えぇ?か...会長!?お~い起きて~!

일본어가 통하지 않나요? 한국어라면 괜찮을 것 같다고?

(日本語無理な感じ?韓国語ならどう?)」

俺は机をドンと叩き立ち上がった。

「日本人だ!日本語で頼む!」

と俺は叫ぶ。

スンニは目を丸くさせたが表情を変え、

「はい!こんにちは!副会長のキム・スンニです!よろしくお願いします。」

と俺の手を握る。俺も会長としてしっかり挨拶しないと。

俺は口角を上げ、

「あぁ。俺は萩丘広翔はぎおかひろと。よろしく頼む。」

俺は自己紹介をし合った。

またドアが開く。

「こんにちは。上田うえだ結菜ゆいなです。助手をやらせていただきます。」

と自己紹介をする。

そしたら結菜さんは

「自己紹介は結構です。もうお話は聞いております。」

やけに態度がいい。俺はスンニに目を移し、

「スンニ。結菜さんを見習った方がいいぞ。」

と投げやりに言う。

「はぁ?なんですか!そんな贔屓ひいきして!」

とスンニは声を上げる。

「うるせぇ!もっとお前は態度をよくしろ!」

俺らはしばらくぺちゃくちゃぺちゃくちゃ言い合いをしていると...

「Please don't fight. Chairman.」

「喧嘩をやめてください。会長。ですって。」

そこには白髪と金髪の女の子がたっている。

俺は近づいて

「二人とも!校則違反だ!」

と俺は言う。

「違う!地毛証明書を私たちは出してます!」

と白髪の少女が言う。

「まぁいいです。私の名前はアリョーナ・ガルキナ。ロシア人です。」

と白髪の少女が言う。

「そしてこっちはクララ・メイ・ウィリアムズ。アメリカ生まれの生粋のアメリカ人です。日本語が喋れないので私が通訳をしています。」

と金髪の少女を指差して言う。

ちなみにクララさんは日本語はわかるそうだ。

「あぁ。よろしく。」

と俺は日本語で言う。

「あーいんぐりっしゅ、いんぐりっしゅ。」

と下手くそなアクセントで言う。

「まいねーむいずひろとはぎおかせいとかいちょーないすとぅーみーちゅー」

という。

そしたらクララさんは発音よく

「Pardon?」

という。

そしたらアリョーナが

「My name is Hiroto Hagigaoka. I am the student council president. I look forward to working with you.」

と小声で言う。

やっぱり言語の壁って難しい...

「ははははは!会長、英語もできないんですか?」

とスンニが笑う。

結菜さんも笑いをこらえるのに必死なんだろうか、顔を膨らませて笑いを我慢している。

肩が揺れているのがなによりの証拠だ。

「くっ!この野郎!お前いい加減にしろよ!」

と追いかける。

「広翔さ~ん!!!来れるもんなら来てみな~!」

と煽る。

まだ性格がガキなのか!と内心思いつつ俺は走ってスンニのことを追いかけた。


そしたらまた女の子の声が聞こえた。

「なんなんですか。これ。」

と黒髪の少女が言う。

「ん?あぁすまん。俺の名前は萩丘広翔はぎおかひろと。」

「私の名前はらい 彥蓁やじゅん。台湾と日本のハーフです。」

ガチでしっかりした態度で自己紹介をする。

だが、みんなが思ってたことが大体予想がつく。

(なんで俺/こいつが生徒会長になってこの人が生徒会長にならなかったの?)

「ど...どうしたんですか?皆さん。私を見て。」

と引きつった笑顔で俺たち見る。

めちゃくちゃ怖気づいてる。

「い...いやなんでも。なぁ?みんな?」

と俺が言う。そしたらみんなは首を縦に振る。

「は...はぁ。」

とその子はバッグを机に置き近くの椅子に座る。

「今日からこの高校の選ばれし者のみが選ばれる"生徒会"の初仕事の日だ。」

と俺は自信満々に言う。

「まぁ初仕事と言っても何もないんだが。今日は、これから1年間仕事をしていく仲間との顔合わせだ。それが済んだら俺らは帰る。ただそれだけだ。」

とみんなは視線を俺から外し周りの相手を見始める。

「とりあえず!君たちはこれからその人たちの仕事をしていく。顔と名前を覚えて、次の集まりの時に間違えないで名前を呼べるようにしておけ。以上。解散!」

といってバッグを肩にかけ、ドアを開けて部屋を出る。

俺は携帯を見る。

「やっべ!電車の時間やべぇ!」

俺は下駄箱からダッシュしだす。

右から足音がする。俺は右を見たら

「やっほ~!広翔さん。あなたも電車?」

とスンニが聞いてくる。

「電車だよ。それ以外に走ることなんかあるか!」

と言い、駅へと向かった。

—————————————————————

『次は、助信。助信です。』

という合成音声が言い、どんどん北上していく。

スンニは反対側の電車みたいだった。


...今でも脳内反省会が続いている。いや、今がクライマックスだ。

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