第11話 葉と花束
風に舞い落ちる葉と
その手に抱える花束と
無表情なアスファルトの上
湿り気を帯びた陽がにじむ
きっとこの胸に広がるのは
開放感と言う名のもの
決して寂しさではないのと
伏し目がちにキミは笑う
今僕の中にあるものと
今キミの中にないものを
抱きしめて力を込めて
ひとつに出来ればいいのに
風に舞い落ちる葉と
その手に抱える花束と
見ているだけしか出来ずに僕は
ただ記憶に焼き付ける
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