第23話 オプション
「さて、じゃあ作るか」
宿を取った俺は早速SSランク装備の製作に取り掛かる。
必要な素材はSランク装備とほぼ一緒。
唯一違うのが、今回シードラゴンアントを狩って手に入れた魔石である。
因みに、魔石は複数種ある。
そしてどの魔石を製作に使うかで、装備につくオプションが分かって来る仕様だ。
――装備オプション。
SSランクからは、装備にオプションがついて来る仕様となっている。
まあボスドロップなんかはSランクからついてる訳だが、それは特殊な装備なので除外しておく。
インベントリから取り出した鍛冶台の上に、俺は素材アイテムを置く。
そして――
オリハルコン10個(プレイヤー間の取引価格500万程)
青の魔石50個(取引価格30万程)
高級なめし革10個(店売り3万)
締めて6.530万の塊を槌で叩く。
『あー、きえちゃったぁ』
が、失敗。
まあ成功率はSランクの半分ほどになるから仕方ない。
SSランク製作の補正は上級製作の半分程度しかない。
係数がレベル×0.2に0.2を足した数字なのは一緒なのだが、スキルの最大レベルが上級の半分である5までしかないからだ。
なので成功率は25%程度だと思って貰えばいいだろう。
だいたい4回に1回成功すると考えて、おおよそ2億6千万程がSSランク装備の原価だ。
売値はこれに毛が生えた程度な訳だが、一般プレイヤーでは中々手の出せない額なので、カジュアルプレイではこれをある程度強化した物が最終装備になる事が多い。
あ、因みにこの原価は短剣の場合な。
他の武器だと素材量が増えるので、もっと高くなる。
「まあ素材はいくらでもあるからな。ガンガン行くぞ」
俺はおやつ感覚でSP回復アイテムのマリンストーンを齧りつつ、槌を振るう。
これさえあればSP問題はある程度解決する――一度使うと再使用には30秒かかる仕様。
とは言え、MPの方の問題があるので結局休憩は必要になってしまうが。
「よし、成功!」
失敗失敗と続き、4回目で成功。
正に確立通りである。
『わー、おいしそう』
完成したのはハイオリハルコンエッジという名の短剣。
オプションは鋭利――敵の防御力を30%無視する。
鋭利は攻撃力低めの短剣とは相性の良いオプションだ。
まあ敵の防御力を下げるバグリンのアシッド系スキルとは少々相性が宜しくないが、そこは気にしない事にする。
……他のオプションを付けるには、別の色の魔石が必要になってしまうからな。
装備のオプションは、装備と魔石の色で決まる。
短剣製作に赤の魔石を使うと烈火――クリティカルダメージ30%アップ――というオプションになり、剣や槍だと業火――ダメージ25%アップ――になるといった感じだ。
「食べて良いぞ」
俺は完成した短剣を早速バグリンに食わせる。
一食2億6千万とか、バグなしじゃ絶対できない養い方である。
バグ万歳!
『わーい。いただきまーす』
バグリンが短剣を取り込み、それを体内で溶かす。
武器が分解されて解けてなくなる様は、何度見てもシュールな光景だ。
『おいしー!もっとたべたーい!』
バグリンがハイテンションでピョンピョンと跳ねる。
この様子だと、そうとう美味しかった様だな。
「わかったわかった。お代わり用意してやるから落ちつけ」
『はーい!』
俺は休憩を挟みつつ、武器の製作を続ける。
バグリンのレベルがキャップに達するのと、自分用の短剣を11本用意出来るまで。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます